2019年11月09日掲載 − HOME − 再エネ一覧 − 記事
自宅で電気自動車を充電

ドイツ政府は2019年11月に入り、自動車業界と電気自動車の普及問題について話しあった。


その結果、ドイツ政府は2030年までに、電気自動車の普及台数を700万台から1000万台とすることを目標にするとしている。そのため、2030年までに100万カ所に充電スタンドを設置するという。


ドイツでは現在、22万台の電気自動車が走行しており、公共充電スタンドは約2万1000カ所に設置されている。


しかし自家用電気自動車の場合、夜間に自宅で充電される可能性が高い。自家用車の場合、電気自動車の充電は、必要な電気の70%が自宅か会社で行われると推定される。


というのは、自動車が駐車されている時間は、自宅においてある時か、勤務中が一番長いと見られるからだ。自宅では、1日の半日近くまで自動車が駐車される。


そこで問題になるのは、各世帯で電気自動車を充電して、配電網にそれだけの容量があるかどうか、配電網を安定して運用できるかどうか。特に、各世帯で夜間に一同に充電して大丈夫かだ。


電気自動車が普及しても、生活に必要な電気と、電気自動車の充電に必要な電気が安定して供給されなければならない。


そこでドイツ南部シュツットガルト近郊の住宅街の一角で、地元の配電事業者が一つの電気回路で、10世帯と11台の電気自動車に電気を供給する試験を行っている。


試験的な運用のため、充電に関するデータを幅広く集めて分析する必要がある。そのため蓄電池ボックスの周辺には、制御装置のほか、データ送信用の装置などがたくさん並んでいた。


プロジェクトでは、電気自動車の蓄電池とほぼ同じ容量の蓄電池(19 kW)を自宅に設置した。しかしこれまでのデータを分析すると、自宅の蓄電池の容量は、その半分以下で十分なことがわかったという。


充電が最も頻繁に行われる時間帯は、19時から0時30分の間。ただ充電時間帯が各世帯でずれることから、地域の配電網への負荷は通常時の最大負荷の25%程度しか増加しないという。10台の電気自動車が同時期に充電すると、配電網の容量のほぼ限界にまで達することもわかった。


この試験運用プロジェクトは、2020年まで続けられる。


(2019年11月09日)
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関連リンク:
プロジェクトを実施する配電事業者、Netze BWのサイト
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