電気自動車に搭載される蓄電池(バッテリー)の製造プロセスにおいて、二酸化炭素がたくさん排出される。バッテリーには、レアメタルなど貴重な資源も使用される。
これらの点は、電気自動車についてよく批判される重い問題だ。
電気自動車の普及とともに、バッテリーをいかに持続可能に製造し、利用するかは、今後解決しなければならない重要な課題。バッテリーは、有効かつ効率よく利用されなければならない。
一つの大きな問題は、電気自動車の寿命よりもバッテリーの寿命のほうが長いことだ。電気自動車が廃車になるからと、バッテリーまで一緒にリサイクルしてしまうのは、効率のいい使い方ではない。
電気自動車のバッテリーを有効、効率よく使うには、電気自動車のバッテリーを電気自動車で使った後に、リユースする方法を考えなければならない。電気自動車のバッテリーに、セカンドライフをもたらすということでもある。
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再エネ化モデルハウス横のボックス(写真左)には、電気自動車の古いバッテリーが入っており、リユースされていた。ベルリンの再エネ化プラスエネルギーモデルハウスで撮影 |
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ドイツでは、電気自動車のバッテリーのセカンドライフについて、構想、試験するプロジェクトFluxliconがはじまっている。
ドイツ全国の自治体からプロジェクトに参加を希望する自治体を募集し、8つの自治体が選出された。選ばれたのは、ドイツ南部・南西部の4自治体と、北部・北西部の4自治体。
プロジェクトには、アーヘン大学や自動車の検査機関DEKRA、その他電気自動車部門のスタートアップなどが参加している。
電気自動車の古バッテリーを主に、自治体におけるインフラの一部として組み込むことなどが試験される。
電気自動車のバッテリーを何らかの形でリユースする方法を構築しないと、電気自動車において資源を有効に利用する循環経済が成り立たない。そのためには、自治体が重要な役割を果たすと見られている。
Fluxliconプロジェクトは、2021年9月に開始され、2024年8月までの3年間続けられる予定。ドイツ経済環境保護省が助成して、行われている。
ドイツの再生可能エネルギー機関(AEE)が、Fluxliconプロジェクトの状況やリユースのアイディアなどを公開するサイトを立ち上げ、プロジェクトの状況を公開している(バッテリーのリユースプロジェクトFluxliconのサイト(ドイツ語))。
(2022年9月03日)
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