2023年12月10日掲載 − HOME − 再エネ一覧 − 記事
再エネに対するアクセプタンスは依然として高い

世界では現在、戦争やインフレーションの影響で社会に不安が広がっている。その影響から、気候変動問題に関する関心が薄くなっているようにも感じられる。


ドイツでも、ウクライナ侵攻戦争に伴うエネルギー危機とエネルギーの高騰化に伴い、政治やメディアにおいて原発支持が増えるほか、脱炭素社会や再生可能絵エネルギーの拡大に批判的な声が強くなっている。


しかしドイツ再生可能エネルギー機関(AEE)の委託で行われた再エネに関する世論調査の結果(2023年11月公表)を見ると、市民がエネルギー問題に対するメディアや政界のポピュリズム的な報道や発言に対して、冷静に判断している姿が映ってくる。


世論調査において「再エネの利用と拡大は?」との質問に対し、「格別重要」と答えた人が全体の28%、「とても重要」と答えた人が27%、「重要」と答えた人が26%と、全体の81%が再エネの利用と拡大を支持した。


これは、再エネに対して高い支持を示している。だが昨年2022年に比べると、支持率は5%減ったという。


風力発電する風車が自宅の近くに新設されることに反対する人が多くなっているといわれるが、それでも57%の人が再エネ発電施設が自分の住居の近くに設置されることを支持する。


それを発電施設の種類で見ると、屋根に設置するソーラーパネル(76%)、メガソーラー(59%)、農地のソーラーパネル(57%)、次に地熱(51%)、風力(42%)、バイオガス(37%)と続く。小型の太陽光発電施設には、反対が少ないことがわかる。


気候変動問題は、単に再エネを拡大するだけでは解決できない。市民が実生活においてどうするかもとても重要な要素となる。それに関して世論調査では、「ドイツにおける生活水準を維持し、気候保護のために何をするか」についても質問された。


これについては、「省エネする」が一番多くて51%。次に「再エネ施設の設置をアクセプトする」の41%が続く。しかし、「再エネで熱供給することに投資する」(21%)や「電気自動車を購入する」(15%)、「もっと高額の炭素税を支払う」(13%)など、実際に自分でそのために金銭的な負担を負うことになると、支持がかなり低くなる。


戦争やインフレなどで社会が不安定になっている状況においては、仕方がないのかもしれない。


ただ自分自身で何かしなければならないという意識があることは、この結果からもわかる。再生可能エネルギー機関のブラント所長は、世論調査の結果をこう解釈すれば「いい兆候なのではないか」と評している。


世論調査の結果からは、メディアや政界でいわれているのとは異なり、一般市民がそれほどポピュリズムの影響を受けていないことがわかる。その点で、市民がクールに物事を見て判断しているといっていい。


なお世論調査は、ランダムに選ばれた1000人以上の参加者を対象に行われた。


(2023年12月10日)
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関連リンク:
独再生可能エネルギー機関の当該プレスリリース(ドイツ語)
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