ドイツの送電網などネットワークを管理、監督するネット機構が昨日2024年1月03日に発表したところによると、発電における昨年2023年の年間電源構成において再生可能エネルギーの割合が55.0%と、半分を超えた。
これは、公共送電網の負荷状況から見て発電における年間の電源構成を見たもの。年間全体の電源構成で半分を超えるのははじめてのことだ。昨年の再エネの割合は、48.42%だった。
その内訳を見ると、風力発電(陸上+洋上)が全体の31.1%、次に太陽光発電の12.1%、バイオマス(ドイツはバイオガス発電が中心)の8.4%、水力発電とその他の3.4%と続く。
再エネの発電電力量は全体で、前年比で7.5%増加した。それを支えたのは、陸上風力発電で前年比で約18.0増加。それに対し、洋上風力発電が前年比で4.9%、太陽光発電が24.0%減となった。
太陽光発電の割合が減ったのは、日照時間が減ったからだった。
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ドイツ北西部にある再エネの町ザーベックのエネルギーパークに設置されたソーラーパネル。設置されたのは、ドイツ国防軍の元弾薬庫だ |
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それに対して化石燃料では、瀝青炭発電が前年比でマイナス36.8、褐炭発電がマイナス24.8だった。それに対して、天然ガス発電の割合が31.3%とかなりの増加を示した。
これは、変動の大きい再エネ発電量に対応するために柔軟に発電電力量を調整できる天然ガスの需要が増えたからだと見られる。
同時に、マイナス価格で電力が取引された時間も取引時間帯全体8760時間中310時間と、前年のマイナス取引時間69時間を大幅に上回った。
電力市場における発電電力の取引価格は、1000kWh当たり95.18ユーロ(約15,000円)で、前年の235.45ユーロの半分以下となり、ウクライナ侵攻戦争勃発前の2021年の価格レベルに戻った。
なお、公共送電網から見た電源構成では、公共送電網を利用しない工場など産業界で発電された電力が含まれない。そのため、再エネの割合が少し割高になるので注意されたい。
(2024年1月04日)
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