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欧州風力協会(WindEUROPE)が2025年9月はじめに発表したところによると、ヨーロッパでは2025年前半期においてドイツを除くと、風力発電施設の新設が予測よりも進んでいない。欧州風力協会は、ヨーロッパの風力発電産業の業界団体だ。
2025年前半期には、ヨーロッパ全体で680万キロワット分の風力発電施設が新設された。そのうちEUでは530万キロワットだった。
国別に見ると、ドイツが220万キロワットでトップ。次にスペインの89万キロワット、イギリスの76万キロワットと続く。ドイツの新設発電容量はEU全体の40%を超える。
欧州風力協会は、今年2025年の年間新設発電容量を2250万キロワットと予測していた。しかし前半期の状況から、それを1900万キロワットに下方修正しなければならないという。
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| ドイツ北東部ヒッデンゼー島から見えるバルト海の洋上風力発電パーク |
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欧州風力協会によると、ドイツにおいて風力発電の新設が進んでいるのは、EUの許認可手続きを加速する新しい規則が徹底して実現されているからだという。
EUの新規則では、許認可手続きを24カ月以内に終了させなければならない。しかしドイツ以外ではまだ実現どころか、より時間がかかる事態になっている国が多いという。
欧州風力協会は風力発電の新設が加速しない背景として、産業プロセスにおける電化の遅れ、送電網の容量不足、許認可手続きの遅れ、さらに洋上風力発電では海底ケーブルの容量不足、洋上風力発電設備を輸送するための港湾設備と船の不足を挙げている。
EUは、2030年までに電力消費全体における再生可能エネルギーの割合を42.5%まで引き上げることを目標にしている。そのために欧州風力協会は、4億2500万キロワットの発電容量が風力発電に必要になるとする。
しかし欧州風力協会は現状からして、EUは2030年までに風力発電の発電容量を3億4400万キロワットまでしか引き上げることができないと予想している。それでは、EUの目標は達成できない。
欧州風力協会によるとEU各国政府は、産業プロセスの徹底した電化、送電網の拡大と近代化、港湾設備への投資、EUの新しい許認可手続きの徹底した実施を加速させなければならない。
(2024年9月03日)
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