2026年1月07日掲載 − HOME − 再エネ一覧 − 記事
ドイツ、発電において再エネ化進んでいるが。。。

フラウンホーファー・太陽エネルギーシステム研究所(ISE)は元旦早々、前年2025年年間の公共送電網に給電された再生可能エネルギーによって発電された電力の割合つについて公表した。


それによると、再エネの年間割合は全体で55.9%と前年2024年と同じ。内訳は、風力31.3%(陸上25.2%、洋上6.2%)、太陽光16.8%、石炭火力(褐炭16.0%、瀝青炭6.4%)、天然ガス12.5%、バイオマス・バス8.6%、水力3.9%と続く。


特に、太陽光発電が前年比で21%増となったのに対し、化石燃料発電(石炭、天然ガス)が停滞している。太陽光発電はこれまでではじめて褐炭火力発電を上回り、発電に占める割合が全体で第2位となった。


これは、脱炭素化に向けて褐炭火力発電所が順次停止されているからだ。しかしその分、柔軟性の高く、調整力として使いやすい天然ガス発電が増加している。


それに対して風力発電が、風不足で前年比で3.2%減となっているのが目立つ。


これは、風力発電施設の設置容量が2025年に陸上風力4.5GW(ギガワット)、洋上風力0.29GWと、施設の新設が進まなかったことからでもある。その結果、政府は2025年末までに風力発電の発電容量を全体で76.5GWとする計画だったが、実際には68.1GWに止まった。


太陽光発電では、全体で87TWhの電力が発電された。そのうち16.9TWhが自家消費され、公共送電網には給電されなかった。その割合は、太陽光発電全体の20%弱となる。


電力システム全体で見ると、蓄電池システムの伸びがダイナミックになっている。これは、蓄電池のコストが下がってきているのと、日中の卸電力価格の変動が大きいことで、大型蓄電池システムに対する魅力が増大しているからだ。


2025年、大型蓄電池システムの容量は前年比で2.3GWから60%増大し、3.7GWとなった。蓄電池システム全体の容量は現在、25GW弱。そのうちの20GW弱が自宅に設置されたもので、蓄電池システム全体の80%にも上る。この中には、自宅に駐車する電気自動車の蓄電池も含まれる。


ISEは20230年までに、蓄電池システムの需要が100から170GWにまで拡大すると予想する。それとともに、蓄電池システムが電力システム全体と電力市場のデザインにおいてより重要になってくると見る。


ただ昨年2025年当初の政権交代で緑の党が政権から離脱し、現政権ではエネルギー担当が保守系大臣となって再エネの促進にブレーキをかけ、再エネ化が停滞しているのも事実。ドイツ政府は2030年までに発電において再エネの割合を80%に引き上げるとしているが、現状ではこの目標を達成するのはかなり厳しくなっているといわざるを得ない。


(2026年1月07日)
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関連リンク:
フラウンホーファー・太陽エネルギーシステム研究所(ISE)の2026年1月01日付けプレスリリース(ドイツ語)
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