エネルギーは保存される

 前回、エネルギーはいろいろな形態に変わることを学んだ。

 エネルギーには、光エネルギーや熱エネルギー、化学エネルギー、電気エネルギー、位置エネルギー、運動エネルギーなどいろいろなエネルギーの形態がある。エネルギーはたとえば、位置エネルギーから運動エネルギーに変わったり、電気エネルギーから熱エネルギーや光エネルギーに変わる。

 ここで、一つの法則がある。

 ここで法則とは、今まで知られている自然の現象から、例外もなく、そうなるということ、そのすべてにそうだといえることだ。

 それが、中学校の理科で学んだ「エネルギー保存の法則」だ。

 エネルギーの量は、自然界でどんなことが起こっても、その量は変化しない。ここにエネルギーのある量があるとすると、自然界でエネルギーがいろいろ変化しても、その後にその量を計算してみても変化がなく、一定だということだ。

 前回、電気エネルギーで電球をつけると、それが光エネルギーと熱エネルギーに変わることを書いた。ここで、最初の電気エネルギーの量は、光エネルギーと熱エネルギーを足したエネルギーの量と同じとなる。

 たとえば振り子の重りを手で持ち上げて手放すと、振り子が左右に動きだす。

 ここで、重りを持ち上げた地点にある位置エネルギーは、振り子の重りが重力によって落ちて運動エネルギーに変わっていく。振り子は、位置エネルギー(一番左上)ー運動エネルギー(一番下)ー位置エネルギー(一番右上)と変化し、振り子が一番上にある時は位置エネルギーだけ、一番下にある時は運動エネルギーだけとなる。その中間では位置エネルギーと運動エネルギーの両方があり、振り子の重りの位置に応じて変化する。

 ここでエネルギーの量についていうと、振り子が一番上にある時の位置エネルギー=振り子が一番下にある時の運動エネルギー=その中間の時の位置エネルギー+運動エネルギーの関係がある。

 でも、というかもしれない。

 それなら、振り子は左右を行ったりきたりして永遠に動き続けるはずだ。でも、振り子はいずれ止まってしまうではないか。

 それはおかしい、と疑問に思うのではないだろうか。

 実際には、振り子が動くと、空気との間で摩擦が起こっている。

 振り子が永遠に動き続けるとするのは、摩擦がないことを前提にしている。

 振り子が止まってしまうのは、振り子と空気の摩擦によって、位置エネルギーと運動エネルギーが次第に熱エネルギーに変わっていくからだ。

 それとともに、位置エネルギーと運動エネルギーが減っていき、位置エネルギーも運動エネルギーも別のエネルギー形態に変わってしまう。だから、振り子は止まってしまうのだ。

2019年6月19日、まさお

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