電気だけがエネルギーではない

 エネルギーというと、日本ではよく発電される電気のことばかりだと思われがちだ。でもエネルギーは、電気だけだろうか。

 そうではない。

 太陽が照っていると、明るいのはなぜだろうか。

 それは、光エネルギーがあるからだ。植物は、その光エネルギーを化学エネルギーに変えて成長している。それが、中学校の理科の授業で習った「光合成」だ。

 熱いお湯を沸かすには、熱が必要だ。ごはんを炊くにも、部屋を暖房するにも熱がないとできない。ぼくたちがお湯を飲んでごはんを食べ、冬凍えることがないのは、熱エネルギーのおかげだ。

 電車や車で移動する時は、どうだろうか。

 確かに電車は、電気で動いている。車は、ガソリンやディーゼルを燃料としている。でも、燃料で電車や車が動いているわけではない。運動エネルギーがあるから、ぼくたちは電車や車に乗って移動できるのだ。

 ぼくたち自身も食品を食べることによって、エネルギーを得ている。食品の中にある化学エネルギーをからだの中で「燃やして」エネルギーを得ている。ぼくたちも、そのエネルギーがないと、生きていけない。食べる物のエネルギーの物理量を示すのが、よく知られている「カロリー」という単位だ。

 それだけではない。

 鉛筆を手で持ち上げてみよう。鉛筆はそのままだと、止まっている。でもそこでは動いてなくても、重力に反して持ち上げた分のエネルギーがある。それが、位置エネルギーといわれるものだ。

 こうして見ると、エネルギーにはいろいろ種類があることがわかる。

 ただ実際の生活では、家電製品を使うなど電気を使っている場合が多いのも事実だ。だから、エネルギーは電気のことと思われても仕方ない面もある。

 かといって、エネルギー=電気と思っていると、他にいろいろ違った種類のエネルギーを使っていることがわからなくなる。電気さえあればいいと、誤解してしまう危険もある。

 まずは、エネルギーにいろいろ種類があること、そしてぼくたちがそれを使い分けていることをしっかりと頭に入れておきたい。

2019年5月07日、まさお

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