再エネとソーシャル銀行

 今月(2018年9月)、バングラデシュではじまったマイクロファイナンス機関であるグラミン銀行が日本に進出するというニュースが出ていました。

 銀行の創立者ムハマド•ユヌスさんが2006年にノーベル平和賞を受賞したので、日本でも知っている方がいると思います。バングラデシュ農村部などで、生活や教育の質を改善する目的で貧困層を低金利、無担保で少額融資します。借り手が銀行の持ち主になるのも特徴です。

 ドイツでは、このグラマン銀行が再生可能エネルギー普及の手段として早い段階から注目されていました。

 それは、市民に資本力がなくても、再生可能エネルギーを普及させる基盤が市民にあるとの哲学があったからだと思います。そのためには、資本主義活動とは違う形で市民をサポートする手段が必要です。

 ドイツには元々、環境プロジェクトへの融資に特化した環境銀行や社会プロジェクトへの融資に特化したGLS銀行があります。これら銀行は組合銀行になっていて、銀行口座を有する市民などが出資して社員になって、銀行が資金調達します。

 市民一人一人が株主になりますが、出資額に関係なく、社員は誰も同等の投票権を持っています。これが、組合という形態の特徴です。

 ドイツでは、これら組合銀行が再生可能エネルギーの普及でとても重要な役割を果たしています。ドイツの市民電力会社EWSシェーナウも、最初に配電網を買い取る時にGLS銀行から融資を受けました(関連記事)。

 ぼくは、グラミン銀行も含めてこれらの銀行をソーシャル銀行だととらえるべきだと思っています。そこでのキーワードは、市民です。市民が大きな資本で動く経済とは違う形で、資本を共同調達して、共同で経済活動を行っていくことをサポートします。マイクロファイナンスもその一つです。

 市民が今後、再生可能エネルギーなどの分野で大きな力を持っていくには、ソーシャル銀行がとても大切なっていきます。それによって、市民が自力で資本を調達し、市民の自立、自治管理を促します。

2018年9月23日、まさお

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