都市の駅をハブ化する

 「ハブ空港」ということばがあります。これは、航空網において長距離航空と国内、大陸内航空の乗り継ぎの中核になる空港のことです。

 この「ハブ」ということばを鉄道網の駅につけると、どういう駅になるのでしょうか。乗り継ぎの中核になる拠点駅がまず思い浮かびます。

 ぼくは、8章「交通の未来」の「グリーン電力で走るドイツ鉄道」の項においてドイツ鉄道のカーシェアリングについて紹介しました。ドイツ鉄道は長距離の移動に鉄道を使い、主要駅からカーシェアリングで電気自動車で移動してもらうというサービスを展開しています。

 これは、鉄道と電気自動車を結びつける新しい意味での「ハブ駅」です。これをさらに、大都市内で主要駅をハブ化するとなると、どうなるのでしょうか。

 大都市の電車や地下鉄の駅を降りると、電気自動車のカーシェアリングステーションをはじめとして、電気バイク、電気キックスクーター、自転車のシェアリングステーションがあります。あるいは、小型の乗り合いバス(ライドシェアリング)の拠点もあります。

 都市毎にこれらを予約しておくアプリをスマホにダウンロードしておけば、どこにいっても必要な時に、自動車や自転車などに乗れます。

 こうすれば、大都市の交通が多様化し、大都市を走る自動車の数を減らして渋滞解消効果も生まれます。個人で自動車などを持っている必要もなくなります。

 ドイツ北部の大都市ハンブルク(switchh)では、カーシェアリング会社などと共同で都市交通公社がこうした試みをはじめました。ベルリンでも、試験的にはじめてみることが検討されています。

 都市交通は、早いテンポで変わろうとしています。

2018年10月21日、まさお

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