再エネにおいて利便性はどうする?
再生可能エネルギーを使うに当たり、利便性についても考えなければなりません。
再エネ化に向けては、いろいろな分野でエネルギーを使う量を減らして省エネしなければなりません。ただ現段階では、省エネを技術的に実現して一般消費者が生活スタイルを変えないでもいいようにする方向で技術開発が行われています。
たとえばスマートメータと蓄電池があれば、いつ蓄電するのか、いつ電気を送電網に給電するのかは、すべて自動で行われ、家庭への安定供給も保障されます。
でも、技術開発でも無理な部分は生活スタイルに何からの影響が出てくるかもしれません。ただそれによって、利便性が損なわれるかどうかは、個人個人がどう感じるかではないかと思います。
たとえば発電状況に応じて、家庭での電気の需要をコントロールする必要が出てくることも考えられます。地域毎に、洗濯時間をシフトすることが必要になるかもしれません。でもそれも、洗濯物と洗剤を洗濯機にさえ入れておけば、自動で洗濯してくれます。ただそれには、洗濯機がいつ動いてもいいように準備をしておかなければなりません。
それを不便と感じるか、どうかです。
現在、ゴミが分別されています。それで、利便性が損なわれますか。
そうは思いません。それは、資源を有効に使うためにゴミを分別して回収するという約束事であるはずです。それによって、利便性が損なわれたとは思われません。
再エネ化には、デジタル化が必要不可欠です。デジタル化によって利便性が高まることも、たくさん出てくる可能性があります。
不便と感じるかどうかには個人差があり、個人の問題でもあります。
今後、ライドシェアリングやカーシャアリングによって、自動車交通を減らす施策がいろいろ出てきます。それによって、個人で自動車を所有する人が減ってくる可能性があります。
でもその場合、個人で車を運転したいから不便と感じる人もいれば、個人で運転したくないので便利になったと感じる人もいると思います。
利便性については、ドイツではまず、どうするのが適切か、それぞれが個々に考えて、独自のアイディアをつくります。それを試験的に一般消費者に利用してもらいます。
たとえば低エネルギーハウスや、水素スタンド、電気自動車のローディングステーションなどで、企業や自治体などが独自のアイディアで利用方法を決め、それぞれが実際の生活で試験利用します。そこで、利便性についてチェックします(以下の参考記事も参照)。
その中から、ベスト・オブ・プラクシスを探します。ドイツでは、ある意味で競争だと思いますが、こういう手法で利便性を求めるのが定着しています。
(2019年2月24日、まさお)
参考記事:
エネルルギー選択宣言:7. 住宅の未来
その中でもたとえば「住み心地はどうか」
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