脱炭素社会、こういう家をつくりたい

 現在脱炭素化して、カーボンニュトラル社会をつくることが目標になっています。それによって、二酸化炭素などの温室効果ガスを排出しない社会を目指します。

 そのために、再生可能エネルギーを使って発電し、再エネ電気を中心とした電気中心社会をつくります。そうしない限り、本質的にカーボンニュートラルを実現することにはなりません。

 家屋もそれに合わせて、脱炭素化しなければなりません。家屋を脱炭素化するには、エネルギー消費の少ない低エネルギーハウス、ゼロエネルギーハウス化します。

ベルリンにあるプラスエネルギーハウスのモデルハウス。電気自動車の充電も含め、家屋に設置されたソーラーパネルで発電された電気を自家消費しても、電気が余る。

 カーボンニュートラル社会では、産業も脱炭素化しなければなりません。産業では石炭や石油に代わって、水素が必要になります。水素は電気で製造するので、何をつくるにも、生活するにも、電気が基盤になります。それが、脱炭素社会は電気中心社会になるといった背景です。

 そうなると、電気を使って水素を製造し、それを燃料に使っていてはエネルギー効率がよくありません。電気をそのまま使えるところでは、電気をそのまま使ったほうがエネルギーを無駄使いしません。

 家屋など民生部門では必ずしも水素を必要としないので、水素を使わないようにします。ぼくは、これが脱炭素社会における家屋の大前提になると思います。

 ぼくは、木造りの家を優先させたいと思います。天然木造りです。木造りといっても、ログハウスのように厚い木を使う必要はないと思います。厚くて太い木が必要なのは、家の中心となる大黒柱だけ。外壁と内壁の間に断熱材を入れるため、壁には板木を使います。断熱効果を高めるためです。

 よく省エネといわれますが、家屋では断熱に手をかけないと本質的に省エネはできません。

 断熱材には、アシなどの藁材を使います。同時に、空気の断熱効果を利用する為に、外壁と内壁の間の一部を空洞にします。その空洞にある空気を入れ替えることができるように、換気装置も設けます。そうすれば夏の暑い時に、空洞内の空気を明け方の涼しい空気に入れ替えることができます。そうして家を冷やします。

 問題は、木の防腐処理をどうするかです。シックハウス症候群は避けなければなりません。そのため、植物性の害のない薬剤、塗料を使います。

 窓はできるだけ大きくして、日中にできるだけ太陽の光を採光できるようにします。ただ夏の暑い日差しを避けるため、外部に電動ブラインドをつけて、日よけにします。ブラインドには、太陽からくる赤外線を反射させ、できるだけ太陽の熱が室内に入らないようなものを使います。

 窓ガラスは、3重張りか4重張りにします。ただし窓は、日本のように引き戸式ではなく、開き戸にします。そうすれば、窓は閉めたまま引き倒しできます。

 建物の断熱効果だけで、かなり夏の暑さをしのげると思います。ただそれでも暑い場合は、地下にあるヒートポンプで冷房します。

 床材も木で、床暖房にします。

 屋根には、ソーラーパネルとソーラーコレクター(太陽熱温水器)をつけます。

 ソーラーコレクターで暖かくなった湯は、地中に埋められた熱貯蔵タンクに貯めます。居間には暖炉を置き、その暖炉でもたっぷりとお湯を沸かすことができるようにします。そのお湯も、地中のタンクに貯めます。

 熱貯蔵タンクに貯まったお湯は、給湯と暖房に使います。それをさらに、ヒートポンプで加熱します。ヒートポンプは地下に置き、その横に熱交換器も設置します。熱交換器で、お風呂と厨房の排湯から熱を回収して、熱貯蔵タンクを加熱します。

 各部屋の天井には、排気口を設けます。そこから換気装置で排気を吸い取り、換気ダクトを通して排気の熱を地下の熱交換器で回収できるようにします。その熱もタンクに貯蔵します。

 窓のあるところには、ゴーヤなどつる性の植物を植えて、緑のカーテンとします。家から出る排水と雨水は適切に処理して、植物給水用とトイレの水として使えるようにします。

 トイレはバイオトイレとして、生ゴミと一緒にコンポスト化して庭の植物の堆肥として使います。

 地下には、ソーラーパネルの電気を直流から交流に換えるパワーコンディショナーと蓄電池も必要です。電気自動車もあれば、地下の蓄電池を電気自動車の蓄電池と一緒に、地域のバーチャル蓄電池として利用できるようにします。

 脱炭素社会では、家屋においてこれだけ徹底して省エネすることが必要です。ぼくは、こういう省エネハウスに住んでいる夢を見ました。

2021年5月31日、まさお

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関連サイト:
ベルリンのプラスエネルギーハウスモデルハウス(ドイツ語)

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