2020年7月11日掲載 − 再生可能エネルギー
ガスのグリーン化、脱炭素化

ドイツは脱原発に続き、脱石炭も決定した。天然ガスだけは、エネルギーを再生可能エネルギーに転換する過程において、まだ過渡的に必要となる。ただ天然ガスのほうが、石炭に比べると二酸化炭素の排出量は少ない。


今後エネルギー転換を実現するには、ガスも再生可能化、グリーン化するとともに、脱炭素化しなければならない。その重要なプロセスが、再エネで発電された電気で水素を製造し(電気分解)、「グリーンガス」として使うことだ。


本サイトでは、ドイツが水素戦略を発表したことを報告した(「ドイツ政府、水素戦略を閣議決定」)。それは、ドイツが本格的にガスのグリーン化、脱炭素化に取り組むことを示すものだ。


ガスの需要は、いろいろな分野に広がっている。家庭での料理や暖房に使うだけではない。自動車の燃料としても使える。さらに、これからは石炭や石油に代わり、産業界においてガスがとても重要になる。


ガスをグリーン化、脱炭素化したものは、水素だけではない。生物資源を発酵させて回収するバイオガスと、ゴミ堆積場や下水処理施設で発生するメタンガスを回収するバイオメタンガスがある。バイオメタンガスとバイオガスは燃焼させると、二酸化炭素を発生させる。ただここでは、今生息する生物資源を使うので、生態系の中で二酸化炭素の排出と吸収が繰り返され、二酸化炭素は増えないと見る。これを、「カーボンニュートラル」という。


産業界でのガスの需要の多さを考えると、水素の重要度が今後より大きくなるのは明らかだ。だた当分はまだ、石炭や天然ガスなどの化石燃料で発電した電気でも水素を製造しなければならない。その場合、排出される二酸化炭素を分離して隔離するか、リサイクルする。こうして、水素を過渡的に脱炭素化しなければならない。そうして製造する水素を「ブルーガス」という。


ドイツの電事連は2020年7月はじめ、ガスのグリーン化、脱炭素化に向けたロードマップを発表した。


それによると、2050年までに水素を再エネ電気で製造してグリーンガス化し、脱化石燃料を実現するとする。まず2030年までに、グリーンガスとブルーガスしか使わないとする。2040年までに、グリーンガスの割合をできるだけ高める。そのため、グリーンガスを輸入して需要不足を補う。2050年までに、国産と輸入グリーンガスだけで完全なグリーンガス化を図る。


電事連は、国産グリーンガスだけではガスの需要を満たせないので、ドイツはEUにおいてグリーンガス化を進める牽引車になるべきだとする。


(2020年7月11日)
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関連リンク:
BDEW-Vorschlag "Handelssystem erneurbare und dekarbonisierte Gase"(「再生可能脱炭素化ガスの流通システム」ドイツ電事連のプレスリリース、ドイツ語)
Roadmap Gas(「ガスロードマップ」ドイツ電事連のプレスリリース、ドイツ語)
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