2022年6月25日掲載 − HOME − 再エネ一覧 − 記事
グリーンスチール、水素還元技術の商用第1号機は2025年に稼働

本サイトではこれまで、何回かに渡ってドイツの水素戦略について報告した。特に、製鉄業において高炉にコークスではなく、水素を吹き込んで鉄鉱石を還元してグリーンスチールを製造する水素還元技術が注目されている。


ドイツの製鉄大手ティッセン・クルップ社はすでに2019年から、高炉において試験的に水素を活用して鉄鉱石を還元することを行ってきた。今のところ、その商用第1号機が2025年に稼働される計画だ。


さらにその第2号機が2030年に稼働し、2045年までに3号機と4号機も完成する予定だ。


それに伴い、製鉄における二酸化炭素の排出を2030年までにこれまでより30%削減。2045年までには二酸化炭素の排出を100%削減して、完全なグリーンスチールを実現する。


それと並行して、製鉄所やセメント工場、その他ゴミ焼却場などで発生するガスから二酸化炭素を分離、回収してそれを化学産業において、イーフュエル(e-fuel、再エネ電力で製造する合成燃料)やプラスチック、化学肥料などの原材料としてリサイクルする技術(Carbon2Chem)も、すでに試験的に活用されている。


それによって、製鉄や化学などの重工業プラントがネットワーク化され、二酸化炭素が効率よく活用されることが期待される。


(2022年6月25日)
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関連リンク:
ティッセン・クルップ社のサイト(ドイツ語、英語)
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