ドイツの報道機関がドイツの送電網などネットワークを管理、監督するネット機構の統計データから試算したところによると、ドイツの発電における再生可能エネルギーで発電された発電電力量の月間割合が、先月2023年5月にこれまでの最高を記録した。
2023年5月の総発電電力量における再エネ電力の月間割合は66.2%と、全体の3分の2に達した。前月4月の再エネ電力の割合は、58.6%だった。
発電方法では石炭火力発電の5月の割合が20.8%と、再エネに次ぐ。石炭火力発電の4月の割合は26.9%で、石炭火力発電の割合がかなり下がったのが、5月の再エネの割合を押し上げた形にもなっている。天然ガス発電は、5月が10.4%、4月10%だった。
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ドイツ北西部のシュヴェリーンにある15MWの蓄電施設。ここでは、周辺の風力発電施設で発電された電力を送電網における周波数の変化に応じて、自動で蓄電、放電している |
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それまでの再エネの割合の最高値は、2020年2月の61.1%で、次に2021年2月の59.7%だった。
2023年5月に再エネ電力の割合がこれまでの最高を記録したのは、太陽光発電による発電電力量が増えたからだ。その背景には、天候が良く、日照時間が長かったことと、太陽光発電施設の発電容量が拡大していることを挙げることができるという。
その結果、再エネ電力だけで電力需要を満たす時間帯も増えている。さらに送電網も安定させるため、風力発電施設からの電力を切り離して出力抑制しなければならない時間も増えているという。
それは、ドイツにまだ余剰電力を蓄電する施設が十分にないからである。
(2023年6月02日)
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