リニアは採算が合うはずがない

 ドイツのリニアは、長い間に渡って数カ所で設置することが検討された。しかし、どこでも採算性がないので、結局すべて実現が断念された。

 国外にも売り込んだが、実現できたのは上海空港のアクセス線だけ。それも、30キロメートルほどしかない短い区間だ。ここでも、採算が合っているはずがない。実現できたのは、ドイツがリニアの技術ノウハウを提供するという技術供与が前提にあったから。中国はその後、ドイツの技術を盗んで同じ形のリニアを造りだした。。

 日本のリニアは超伝導だが、ドイツのリニアは常伝導だ。だから、日本のほうが開発費、製造費にドイツ以上にたくさんのお金がかかっているはず。

 日本のリニアが超伝導を使うのは、地震のある日本では車体をもっと浮かさないといけないからだそうだ。それで、強い磁界を造るために抵抗のない超伝導が必要なのだという。そうなると、消費電力も多い。

 リニアでは人体に対する電磁波の影響についても議論されないといけない。しかし日本では、それがあまり問題にされないのは不思議でならない。

 この超伝導技術は、核融合にも使われる。核融合も強い磁界を必要とするからだ。この核融合発電に強いこだわりを持っているのは、日本とフランスだけ。

 ドイツは経済性がないという理由から再処理も止めた。断固としてリニアを実現しようとする日本には、再処理と核融合にこだわるのと何か同じものがあるように感じる。開発をはじめたものは止めるわけにはいかないという論理。

 そこには、経済観念はない。面子しかない。そのためには、採算性があるとウソをつくしかない。

(2014年9月16日、まさお)

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