ユーロとはいわないユーロ

 日本では、欧州統一通貨「EURO」のことを英語読みで「ユーロ」といいます。英語が最も一般的な外国語なので、「ユーロ」と英語読みされるのだと思います。

 現在、統一通貨ユーロは欧州連合(EU)加盟国28カ国(英国がまだ正式に離脱していないので)のうち19カ国で使われています。ユーロ圏加盟国では、使用言語が各国で異なります。だから通貨が統一されていても、EUROの読み方は各国で異なります。

 たとえばドイツ語では、「EURO」のことを「オイロ」と呼びます。フランス語に至ってはリエゾンがあるので、前の数字のスペルによって「EURO」の読み方が変化します。

 欧州最大の英語圏である英国は、統一通貨を導入していません。そのため、英語読みで「ユーロ」と発音されるのは、英語が公用語の一つになっている小国のアイルランドとマルタしかありません。ユーロ圏全体で、人口は3億3000万人。そのうち、アイルランドとマルタの人口は合わせて500万人にもなりません。

 それに対し、ドイツ語圏の人口がユーロ圏の中で最も多く、ドイツとオーストリアを合わせて約9000万人になります。次に、フランス語圏の約7500万人が続きます。

 「ユーロ」という読み方は、ヨーロッパの実生活ではごく少数の市民にしか使われていないということです。

 英語なら何でも通じるという先入観からヨーロッパの統一通貨は「ユーロ」だと思うのは、ヨーロッパの実生活を無視していうことになりませんか。

(2017年10月29日、まさお)

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