さよなら減思力

権威主義に走るのはなぜ?

 ぼくは、社会と個人が権威主義的か、反権威主義的か、とても大切なポイントだと思います。前回の記事⎡家庭を変える⎦でも、その一端について述べたつもりです。権威主義的な家父長制に基づいた家庭を⎡反権威主義的に⎦変えることによって、ドイツ社会がオープンで、多様化を求める方向に変わっていった。前回、それを伝えたかったのです。

 ドイツ社会は今、右傾化が進んでいます。それを先導しているのは、右翼政党AfDです。同政党は反68年政党ともいわれ、反権威主義を求めた68年学生運動の遺産を破壊してしまいたいといっています。難民の流入に反対する背景には、権威主義的な社会を取り戻したいという思いがあります。

 難民を拒否すること自体が、権威主義的です。

 右傾化と権威主義は、切っても切れないものだと思います。右傾化には、自分が権威主義的であるほかに、権威主義的な権力を求めて、自分がその一部だという思いを持ちたいという願望もあります。

 それが多様化をひらい、外国排除につながり、右傾化して独裁的なリーダーが求められる背景でもあると思います。

 社会が権威主義的になって右傾化する背景には、個人個人の経済的な問題があるともいわれます。でもドイツを見ると、そうとはいえません。AfDの支持者は、経済的に恵まれている人が多く、労働者からインテリ層、経営者層まで広い分野にまたがっています。

 これを見ると、経済的な問題だけでは右傾化は説明できません。最近公表されたライプツィヒ大の調査によると、右傾化傾向の強い人には先が見えないことに対する不安が強いという結果が出ています。不安から逃げるために権威主義に走りやすいということかと思います。

(2018年11月09日、まさお)

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