目先の経済成長か、持続する経済成長か

 ベルリン市は昨日(2019年1月24日)の議会で、国際婦人デーの3月8日を法的に祝日とすることを決議しました。さらに来年からは、ドイツが無条件降伏した5月8日も祝日となります。

 これは、ベルリンがドイツの他の州に比べて祝日が少ないことに対応したものです。ベルリンの祝日は年間10日なのに対して、宗教的な祝日の多い南部のバイエルン州などでは年間の祝日が13日となっています。

 ただ、祝日が増えることにみんなが賛成しているわけではありません。祝日が増えることに、経済界が反対します。ベルリンの商工会議所は、祝日が1日増えると、ベルリンの国民総生産が0.3%少なくなると批判しました。

 現在の経済成長の指標は、経済が前年ないし前年同期に比べてどの程度の伸びを示したかしか示しません。それが、経済を評価する基盤になっています。これでは、短期間における経済の伸びしか見ていません。

 でも経済成長を長い期間で見て、経済成長が長く続くかどうを見ると、違う要因が必要になることがわかります。

 資源をどれだけ有効に利用しているのか、省エネしているのか、有害物質をどれだけ排出しているのか、労働者がいかにストレスなく、健康に働けるのか、技術革新力はどうか、出生率はどうか、教育レベルはどうかなどなど、経済成長に影響を与える要因がたくさんあることがわかります。ここに挙げただけでは、ないと思います。

 これらの要因は、経済が持続的に成長を続けるにはとても大切な要因です。でも現在の経済成長の指標では、これらの要因がすべて無視されています。

 つまり、現在経済については目先のことしか見ていないということです。経営者が自分が働いている間だけ成功すればいいと思うのは、仕方ないかもしれません。経営者の責任としては、恥ずかしいですがね。経済を長い目で見て、将来の経済成長も考えて政策を講じるのは、政治の役割であるはずです。

 でも現在は、そうなっていません。政治も経済に指揮されています。これが、地球の温暖化対策が遅れている原因でもあります。

 ぼくは、ぼくたちが現在抱えている労働の問題や環境の問題に対応するには、この経済成長とは何かということを考え直す必要があると思います。それによって、労働や環境に対する考えも変わってきます。

 ぼくは今、サイトで再生可能エネルギーのことで世代間の問題を提起しています。それと同じことが、経済についてもいえます。目先の経済成長だけを求めるのか、持続する経済成長を求めるのか。それは、今と将来の世代間の問題であることも知っておきたいと思います。

(2019年1月25日、まさお)

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