翌朝、まったく食べなった
翌朝、ネコたちのようすがどうもおかしい。餌を与えても、まったく食べない。昨晩はピョンピョン飛び跳ねていたが、その元気さがない。
そのうちに目やにがたくさん出て、目の周りが茶色くなっていく。目やにで上と下のまぶたがくっついて、目が開かないくらいだった。

目やには、化粧用のカット綿をぬるま湯で濡らして拭いてやった。そうすると、また目が開くようになった。ただ何回も拭き取って、目の周りがただれるのも怖い。カット綿を使うのは、できるだけ回数を制限した。
問題は、まったく食べなくなったこと。昨晩あんなに食べたのに。別の餌を与えても食べない。ネコ用ミルクも飲まない。
生まれてまだ3カ月あまりしか経っていないネコたち。それだけに、からだの中に栄養を補給するためのリザーブもない。
急に環境が変わったからなのか。でも、食べないのはともても危険だと思った。
できるだけネコたちのからだを暖かくするように、毛布やフリースのトレーナーなどを寝床に敷いて様子を見ることにした。たくさんなぜてあげた。
すぐに獣医にいくことも考えた。ただこの状態で獣医に連れていっても、抗生物質を注射されるだけなのはわかっていた。
生まれてまだ数カ月のネコたち。からだには、抗体がまだしっかりできていないはずだ。そのからだに抗生物質を打ってしまうと、できたばっかりの抗体を壊してしまう。
それでは、成長した後に影響が出る心配がある。だから、獣医のところに連れていくのはできるだけ避けたかった。
でも食べてくれないことには、どうしようもない。一晩だけ様子を見すことにした。それでも食べない場合は、獣医にいくしかないと思った。
早く食べはじめてくれと、祈るような気持ちだった。
2019年8月19日、まさお