効率の比較に矛盾あり
前回書いたように、発電において投入したエネルギーのどれだけを電気エネルギーに変換したか、その割合を示すのが発電効率だ。
ここで投入するエネルギーは、エネルギー源といってもいい。火力発電の場合、石炭や石油、天然ガスなどの化石燃料。原子力発電ではウランだ。
再生可能エネルギーの場合、太陽光発電のエネルギー源は太陽の光、風力発電の場合は風だ。水力発電では水であり、バイオマス/ガス発電では、生物資源が実際に投入するエネルギー源だ。
それぞれの発電効率については、ウキペディアなどネット上で簡単に検索できるので、そちらに任せることにする。
ここで問題にしたいは、投入するエネルギー源は同じ基盤にあるだろうかということだ。比較する場合、比較するものの基盤が同じでないと、比較しても意味がない。
発電効率は、実際に投入するエネルギーから算出されるが、その場合、基盤は同じだろうか。
同じではない。この比較方法で、再生可能エネルギーの発電効率が悪いと主張するのはどう考えてもおかしい。理にかなっていない。
太陽光発電ではもちろん、太陽エネルギーが電気エネルギーに変換される。風が吹くのは、太陽熱によって温度差ができるからだ。風力発電でも、電気エネルギーに変換する元々のエネルギーは太陽エネルギーだ。
化石燃料と生物資源には、化学エネルギーがある。これは、光合成によって太陽エネルギーから変換された。それなら、火力発電とバイオマス発電においても、化石燃料や生物資源から発電効率を見るのではなく、太陽エネルギーからどれくらい電気エネルギーに変換されたかを見るべきだ。
水力発電は、重力を利用している。これは、太陽系という枠組みの中で見るべきだということではないのか。
こうして見ると、エネルギーの一番の元は太陽だ。
原子力発電の燃料であるウランは、どうなのだろうか。数年前日本の理化学研究所が、ウランは中性子星の合体によってできた可能性があると指摘した。
水素が集まって星ができ、星の内部で核融合するほか、中性子を吸収することで、すべての原子ができた。その後に、星が爆発する。原子は宇宙において星グズとなり、それが再び集まって、太陽系ができた。そして、地球が誕生するわけだ。
地球にウランがあるのは、宇宙のプロセスにおいてだったのだ。
となると、ウランも太陽も宇宙を基盤にしている。
こうして見ると、実際に投入したエネルギーから発電効率を見るのは簡単だが、こうして比較しても、同じ基盤から比較していないことになる。
となると、それで効率がいいとか悪いとかと比較するのは、ナンセンスだ。
2019年8月19日、まさお
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