効率とは何か?
前回、中学校の理科で学んだ「エネルギー保存の法則」についておさらいした。
エネルギーはいろいろな形態に変換されるが、変換されても、エネルギー全体の量は変化しないということだ。
それなのに、エネルギー変換の効率がいいとか、悪いとかいわれるが、それはどういうことなのか。
たとえば電球では、電気エネルギーが光エネルギーに変換される。でも、電気エネルギーのすべてが光エネルギーに変換されるわけではない。電気エネルギーの一部は、熱エネルギーに変換される。だから、光を発する電球は熱いのだ。
ここで、入力した電気エネルギーのどれくらいが光エネルギーに変換されたのか。つまり、光エネルギーとして出力された割合を示すのが、その変換効率だ。
発電の場合、投入したエネルギーのどれだけを電気エネルギーに変換したか。その割合を示すのを発電効率という。
石炭火力発電の場合、石炭にある化学エネルギーが電気エネルギーとなる割合が、発電効率だ。
石炭がなぜ化学エネルギーかは、理科で学んだ「光合成」を思い出してもらいたい。
光合成では、植物などの生物が太陽からの光エネルギーを化学エネルギーに変換する。具体的には、光エネルギーを使って水と空気中の二酸化炭素からデンプンをつくる。
その植物が化石化したのが石炭だ。だから、そこには化学エネルギーがある。石油もガスなどの化石燃料も、化学エネルギーだ。
再生可能エネルギーでは、エネルギーはどう変換されるのだろうか。
バイオマス発電では、化学エネルギーが電気エネルギーに変わる。太陽光発電では、太陽の光エネルギーが電気エネルギーに変換される。風力発電と水力発電では、運動エネルギー(風と水の流れ)が電気エネルギーとなる。
投入されたエネルギーをベースにして、出力される電気エネルギーの割合を示すのが発電効率。その割合が低いか、高いかによって、効率がいいとか、悪いとかいわれる。
発電効率がいいか悪いかの問題については、次回述べたい。
2019年7月24日、まさお
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