電気は従来の方法でも貯めておくことができる

まさお:さて、2人には宿題を出しておいたね。何だった?

タロウ:はい、バッテリー以外に電気を蓄電しておく方法について調べてくるのだったよね。

ハナコ:そうね。わたしも調べてみたわ。

ま:そうだ。電気の蓄電方法についてだった。それでは、自分で調べた結果を報告してもらおうかな。
 誰からいこうか。ハナコかな、タロウかな。

タ:はい、はい、ぼくが最初。

ハ:そんな。わたしがはじめに、いいたかったのに。でも、タロウに譲るわ。

タ:ハナコ、ありがとう。それでは、発表するよ。
 はい、水力発電。

ま:ほう。水力発電か。といっても、電気をどう貯めるのかな?

タ:えーと、電気で水を貯めておいて、その水を使って発電するということ。

ま:水を使って発電するのは確かに、水力発電だ。でも電気で水を貯めるとは、どういうことなんだ。よくわからないけど。

タ:電気を使って水を貯めるのさ。

ま:ハナコは、タロウのいっていることわかる?

ハ:うーん。タロウは、間違っていないと思うのよね。ちょっといい方が悪いのかな。
 ハナコが、説明していい?

ま:もちろんだよ。それでは、ハナコにお願いしようかな。

ハ:はい。それは、こういうことなのよ。
 電気が余るでしょ。その余っている電気を使って、水を低いところから高いところにあげるのよ。その高いところで水を貯めておくの。電気が足りなくなったら、その水を下に流すのね。そうすれば、ダムと同じように水で発電できるということ。水力発電よね。

タ:ぼくもそう思っていたよ。もう少しわかりやすくいうと、水が流れるので、その流れている水で発電機を回すから発電できるんだね。

揚水発電の仕組みを示す構造図

ま:みんなそれぞれわかりにくいところもあったけど、いいことにしようか。まあ、合格だ。
 ここでしっかりわかるように、まとめておくよ。
 低いところと高いところに貯水池をつくっておくのだ。それで、低いところにある貯水池には水が貯まるようにしておく。川の水を貯めるようにしておく。ダムでできた湖もそうだね。
 夜になると電気が余りがちになるので、その余った電気でポンプを回して、水を低いところから高いところにある貯水池に汲み上げる。それで高いところにある貯水池に水が貯まるね。
 電気が足りない時に、高い位置にある水を下に流しせば、下にあるタービンを回し、さらに発電機を回せば、発電できるということだ。
 これを「揚水発電」というんだ。

ハ:ということは、昔からあったのね。「揚水発電」というのね。はじめて聞いたわ。

ま:そうだ。原子力発電ではいつも発電電力量が同じで、一定なのを話したことがないかな。そのため、夜になると電気が余ったりする。だから揚水発電は、原子力で発電された電気をむだにしないようにするためのものでもあったのだ。

タ:それが今、再生可能エネルギーで発電した電気を無駄にしないようにするために使うことができるということだね。

ま:そうだ。
 でもどうして、ある意味でこう『回りくどい』ことをしなければならないのだろう?電気を直接蓄電しているわけではないよね。間接的だね。

ハ:ハナコ、知っている!
 それは、電気は簡単に貯めておくことができないからよね。

ま:ハナコのいう通りだ。
 それではその他に、電気を貯めておく方法はないかな? 間接的にということだな。

タ:まさお、もうここまでにしてくれない。もう、頭がいっぱいになるから。

ハ:賛成!ハナコもそうしてほしいわ。

ま:わかった。今日はここまでにしよう。

2024年1月23日、まさお

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関連サイト:
電力のピンチを救え!大活躍する「揚水発電」の役割とは?(日本資源エネルギー庁)

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