これから何に投資するのか(1)

頭を切り替える

 ぼくは、再エネ/エネルギー転換の項の記事「ドイツ、新型コロナで二酸化炭素排出削減目標達成か」で、「冷静に将来を考えた環境にやさしい投資策が求められる。頭の切り替えが必要だ」と書きました。

 これをまず、少し具体化させておきたいと思います。

 特に、将来を考えるとはどういうことなのか。環境にやさしいとはどういうことなのか。頭を切り替えるとはどういうことなのか。

 将来を考えるとは、将来に対してどういう社会像を持つかに関わります。ぼくはここでは、まず世代間で公平な社会を造ることが重要なポイントになると思います。そのためには、持続可能な社会造りをすることが必要になります。

 有限な資源をできるだけ使わない。資源をリサイクルする。再生可能な資源を使う。

 また、社会において利益が公平に分配されないと、世代間の公平さも実現できません。どうすれば、利益を公平に分配できるのでしょうか。

 利益があるところだけに、集中しないようにしなければなりません。大企業中心の構造ではなく、中小企業をもっと支援する構造に切り替えます。さらに地域間の格差をなくすため、産業構造を分配させます。

 新型コロナは、現在の経済構造のもろさを露呈させました。新型コロナに対する防疫対策として、経済活動を休止しなければなりません。それでも動いているのは、日常生活に必要最低限なものだけです。農業、発電、食品販売、薬、医療、金融、郵便、公共交通、宅配などです。

 ここで問題なのは、経済活動がストップすると収入がなくなり、生活できなくなる人がたくさん出てくることです。この問題をできるだけ小さく抑えるため、これらの経済活動において、将来の技術革新に関係なく、一般市民が簡単に参加できる産業において一般市民の参加を拡大させることが必要です。

 ここで、一般市民の参加とは、経済活動を行って収益を得ることができるようになることです。単に被雇用者となるばかりでなく、個人事業者になってもいいわけです。そうすれば、主な経済活動がストップしても、一般市民は収入を得ることができます。

 その対象となるのは、現段階において農業と発電が中心になるのではないかと思います。一般市民が農業と発電に参加できるようにします。

 環境にやさしいとは、どういうことなのでしょうか。石炭や石油、ガスなどの化石燃料を使わないようにするということです。

 燃料を環境にやさしい燃料に切り替えていきます。ここでは、発電と交通、製鉄、 製薬業を含めた化学などがその対象になると思います。

 これは、前述した持続可能な社会造りとも関係しています。

 もう一つ重要なのは、頭の切り替えです。ここでは、価値観を換えることです。

 新型コロナにおいて、感染するリスクを覚悟の上で人と接触して働いている人たちがいます。スーパーマーケットの店員、医師、看護師、介護師、宅配ドライバーなどの配達員(食品宅配も含めて)などです。

 これらの職種で働く労働者は、医師以外はすべて低賃金で働いている人たちです。

 こうして見ると、生活にどうしても必要な分野で働いている人たちの賃金が安いことがわかります。それは、どうしてでしょうか。

 経済活動が、付加価値をつけることで利益を上げているからです。付加価値のない底辺の活動や製品では、安価なので大きな利益を上げることができません。

 でもそれでは、必要性という点からすれば、価値観が逆転していませんか。本来必要なものの価値が低く、必要でないものの価値が高い。

 これを、必要なものの価値を高く、必要でないものの価値を低くしなければなりません。

 これが、頭を切り替える、価値観を換えるということです。

 次回は、ここで述べたことをさらに具体化させたいと思います。

2020年3月29日、まさお

関連記事:
ドイツ、新型コロナで二酸化炭素排出削減目標達成か

この記事をシェア、ブックマークする

 Leave a Comment

All input areas are required. Your e-mail address will not be made public.

Please check the contents before sending.