エネルギー選択宣言ブログ

日本の野菜やくだものは大きくなった

 日本の野菜やくだものの形は以前から、まっすぐか、きれいに丸い。形が整っていました。今回久しぶりに日本に長く滞在し、スーパーにいく機会が増えました。その時、日本の野菜やくだものは大きいなあと感じました。

 たとえばりんごは、人の拳の倍ほどの大きさもあります。大きいですね。

 ドイツの店頭に並ぶパプリカやナス、キューリも大きい。でもそれは、日本の野菜とは種類が異なるからです。日本ではむしろ、以前に比べて野菜やくだものが大きくなったなあと感じました。見た目がビチピチとしており、新鮮だなあと見えます。

 でも食べてみて、がっかりします。水分が多いのはいい。でも、野菜やくだもの本来の素材の味が薄いのです。それはかなり以前から、感じていました。今回は、それが余計薄くなり、素材それぞれの特徴がなくなっていました。

 それに対し、ベルリンで食べる野菜やくだものは味が濃い。味には、素材それぞれの特徴があります。有機栽培されたオーガニックの野菜やくだものも、一般のスーパーの店頭に並ぶようになりました。オーガニック専門のスーパーもかなり増えました。オーガニック野菜やくだものは味がもっと濃く、自然の味がします。

 日本の野菜やくだものは、品種改良したものだとすぐにわかります。自然の味がしません。自然感もありません。たとえばシャインマスカットは高級マスカットで、とても美味しいという評判を聞きました。しかしぼくには、ちっとも美味しいとは思えませんでした。ああこれは、品種改良した人工の味だとすぐにわかります。

 ぼくが日本にいた10月から11月は、りんごやみかん、かきの季節でした。でもどれも、水っぽい。みかんには、甘さを示す番号もついていました。甘いみかんは確かに甘い。でも、甘ったるいだけで味が薄い。これは、ぼくが小さい時に食べたみかんではありません。オーガニックみかんを買ってみて、ようやくこれが本当のみかんだと思いました。

 かきも丸い自然なかきは、店頭にほとんどありません。四角いかきばかりが目立ちます。これは、輸送のことを考え、四角いかきに新種改良したのでしょうか。

ベルリンで食べるオーガニックりんご。人の拳になるかならないくらいに小さいが、味がとても濃い。自然が満喫でき、食べた後の満足感は絶大だ

 ベルリンで買う野菜やくだものは、日本のもののように形が整っていません。見た目にはよくない。でも、それぞれに味があります。オーガニックの野菜やくだものは味がもっと濃く、自然感に溢れています。

 この問題はもう、かなり前から感じていました。が、日本の野菜やくだものは、お世辞にも美味しいとはいえません。食べても満足できません。日本ではそういう素材を使ってしか、調理できなくなってしまったのでしょうか。それではもう、素材の味を生かすことができません。だから、人工調味料で味付けして美味しく食べるのでしょうか。

 でもそれで、美味しいですか。それでいいのでしょうか。

 日本の農業は産業化され、形のいい農産物をできるだけたくさん生産する。それしか考えられていないのではないですか。土地も大量生産が続いて自然の栄養素を失い、化学肥料に頼らぜるを得なくなっています。日本ではもう、そうやって栽培するしかありません。

 それで、美味しい野菜やくだものが収穫できるでしょうか。できません。自然環境と共存して持続可能な農業を続けることもできません。

 ぼくはこれからも末長く、若い世代にぼくが小さい時に食べた味の濃い野菜やくだものを食べてほしいと思います。素材の美味しさで食べる食生活を取り戻してほしい。食料を十分に生産して供給することだけを目的に、地下で人工的に水栽培した野菜やくだものだけがスーパーの店頭に並ぶような時代にはなってほしくありません。

 自然にできた農産物を美味しく食べる。そういう時代を取り戻せるように取り組まなければなりません。ぼくたちの世代には、それを次の世代にも残し、伝えていく責任があります。

2023年2月05日、まさお

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関連サイト:
オーガニックとは?(日本オーガニック&ナチュラルフーズ協会(JONA))

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