日本のスーパーは寒い

 ぼくはこれまで日本に一時帰国しても、日本に2週間以上滞在したことがありません。今回はじめて、日本であまり仕事をつくらず、のんびりしています。

 そのため食料品などを買いに、スーパーマーケットにいく機会があります。正直にいうと、その一番の目的はビールを買うためです。ただ日本ではビールが高いなあ、と痛感しています。

 思い出してみると、帰国時はいつも移動移動でコンビニは利用しても、スーパーにはほとんどいっていませんでした。ぼくは国外にいくと、よくその社会の一コマを見るため、スーパーや市場にいきました。

 日本だからわかっていると、甘く見ていたのだと後悔しています。

 今回は、スーパーにゆっくりいって、日本の生活はどうなっているのかと見ることができています。それで感じるのは、日本のスーパーは寒いなあということです。かなり寒いです。それは、ガンガン冷房しているからではありません。たくさんの食料品と飲み物を冷やしているからです。

 問題は、その冷やし方にあります。肉や魚、乳製品、冷凍食品を冷やさなければならないのはいうまでもありません。日本のスーパーには、これでもかというくらいに冷蔵庫がたくさんあります。でもどれも、オープン型で密封されていません。冷気を逃さないようにするためのガラスドアやガラスの蓋がないのです。

 それでは、冷却出力を上げてガンガン冷やすしかありません。その冷気がスーパー全体に広がります。スーパーが寒くなって当然だと思います。

 ドイツでも一部の冷蔵庫は、オープン型になっていました。しかし今、冷蔵庫や冷凍庫には、ガラスのドアや蓋をつけるようになりました。そうして省エネします。

サラミやソーセージは、ガラスドアを開けないと取り出せない

 もう一つ気になったのは、必ずしも冷やして保管する必要のない飲み物や食品まで冷やされていることです。ドイツでは、ビールはもちろん、ジュースやミネラルウォーターなどの飲み物は、冷やされていません。

 冷やしたビールやジュースをすぐに飲みたい人のため、小さな冷蔵庫で数本冷やしているにすぎません。

ビールなどの飲み物には、使い捨てのアルミ缶はほとんど使われていない。飲み物は、どうしても冷やす必要のある乳製品以外は、冷やされていない

 それに対して日本のスーパーでは、オープン型の密封されていない冷蔵庫、冷凍庫がたくさん並び、冷やして並べなければならないもの以外に、その必要のないものまでが冷やされています。

 これにはちょっど、すごいなあと度肝を抜かれました。

 日本は暑いし、湿気も高い。食料品が悪くなりやすいのはわかります。しかしここまで何でもかんでも、冷やす必要があるのでしょうか。そのために、どれくらいの電力を使っているのでしょうか。そのコストは、商品の価格にも反映され、消費者が負担しているはずです。

 日本でテレビ放送を見ていると、コマーシャルや識者のコメントにやたらとSDGs(エスディージーズ:持続可能な開発目標)ということばが、使われています。でもそれが日本社会に、どの程度浸透しているのか、とても疑問に思います。この問題については、「SDGsって知ってますか」の記事で書いたことがあります。

 日本のスーパーが寒いことを実感すると、SDGsの哲学とのギャップを感じざるを得ません。これは、消費者が無視していい問題ではないと思います。

 SDGsは国や産業だけが実行すれば、それで済む問題ではありません。スーパーにおける問題など、ぼくたちの身の回りの生活においても改善していくべき問題であることを意識したいと思います

 そうしなければ、SDGsの目標は達成できません。

 なお今回は、紙を使った商品や包装材にFSC認証マークがつけられているのが、日本でもようやく増えてきたかと感じます。これは、森を守るため、森林を持続可能に管理するほか、林業に携わる地域社会や労働者などを搾取しないようにしていることを認証するマークです。

2022年11月23日、まさお

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関連サイト:
SDGsとは(日本外務省)

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