さよなら減思力

40年使った食器洗い機

 友人の家庭では、ドイツの家電メーカMieleの食器洗い機を40年間使っていました。でももう寿命なのか、動かなくなってしまいます。

 友人は、新しいのを買うか、直すかで迷いました。友人の連れ合いが、直して使いたいといいます。40年も使ってきたので、強い愛着があったのだと思います。

 修理代は、1000ユーロ(12万円余り)かかりました。でも、友人たちはとても満足しています。

 40年も使った家電製品を直すために、まだ部品があったこともたいへんな驚きです。

 別の友人宅では、同じくMieleの食器洗い機を30年間使っていました。動かなくなったので、サービスセンターに相談します。すると、直すより買い直したほうが安いですよといわれました。

 今ドイツでは、極安の東欧製家電製品も出回っています。でも友人宅では、また長く使えるからと、新しいMieleの食器洗い機を買うことにします。

 ドイツの家電メーカMieleは、家電メーカの中でも最高級のメーカです。どれも高いのが玉に瑕。でも、長持ちする丈夫な家電製品を販売することを売りにしている珍しいメーカです。

 その伝統は、今も引き継がれています。

 買う時は高くても、使える年数を考えると、最終的にはかなり安い買い物をしたことになります。そして、ユーザにまたMieleの製品を買ってもらう。使い捨て社会になった現在では、とても貴重で珍しい販売戦略です。

 ぼくの日本の実家では、古いメルセデス180に乗っています。当時は、Aクラスもなかった時代。それが、当時メルセデスでは一番小型だったと思います。先日、使っている弟に聞いたら、もう30年乗っているといいます。もうどれくらいの距離を走ったのかと聞いたら、タコメータを取り替えてしまったので、わからないといいました。

 今、日本ではメルセデスをどこでもよく見かけます。でも当時は、ぼくの生まれ育った地方都市では、メルセデスに乗っているとヤクザかと思われた時代。弟と母は、人目がよく気になったといいます。

 ここのところ車を修理に出す頻度が増えているそうです。、その間代車に乗っています。ちょうど実家に一時帰国していた時は、新しいAクラスが代車でした。正直、いい車だとは思いませんでした。

 弟にそういったら、修理に出しているディーラーさんでも、30年前に買ったメルセデスのすばらしさに感心しているそうです。ただもう部品がないのが問題です。ディーラーでは、部品を特別につくっても直すといっているそうです。

 ぼくは、使い捨て社会の日本でもまだそういう思いがあるのかと感心させられました。腐っても鯛といいますが、わが家ではよく腐ってもメルセデスといっています。昔のメルセデスは、本当にそうなんだと思います。

 ベルリンのわが家でも、電子レンジが壊れたので買い換えました。この電子レンジはMieleの物ではありません。でもよく考えると、わが家の電子レンジも30年使っていました。

 古い家電製品なので、電気をたくさん食っていたと思います。新しい電子レンジでは、省エネタイプを選びました。

 さて、今度の家電製品は何年使えるでしょうか。日本のメーカの製品です。

(2020年1月31日、まさお)

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関連サイト:Miele社のサイト

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