資本主義の源は化石燃料だ

 資本主義は、18世紀半ばにはじまった産業革命なくして成り立たなかった。

 産業革命の一番のポイントは、石炭や石油などの化石燃料を使ったことだと、ぼくは思っている。それによって、蒸気機関と内燃機関が生まれ、機械技術が発達した。発電と自動車は、この2つの技術に基づいている。

 現在の技術は、化石燃料に依存している。デジタル技術のように、現在の技術が蒸気機関と内燃機関に直接関係していなくても、化石燃料なくして、ぼくたちが今享受している技術革新と豊かさはあり得なかった。

 ぼくたちが今こうあるのは、化石燃料のおかげだといっても過言ではない。

 でも、化石燃料が大気汚染などの公害を引き起こした。地球温暖化の原因ともなっている。

 化石燃料は、遠い昔に太陽からの光エネルギーによって植物や微生物が生育し、それが長い年月をかけて化石化したものだ。それが、地中から採掘される。本来、それは地球共有の資源であるはずだ。

 そう見ると、化石燃料は人類共有の資源である。それによって得られた利益は、人類共有の財産でないとおかしい。

 でも現実には、化石燃料はその土地を所有する者の固有財産として、私的な所有物となった。それが、さらに付加価値を生み、化石燃料を所有する者だけが豊かになる。共有資源であるはずの化石燃料から得られた利益は、共有財産として分配されなかった。

 この構造が資本を作り上げ、資本をさらに拡大させていった。一般消費者である一般市民は、労働という経済活動によってそのほんの一部の利益を得たにすぎない。

 その結果、裕福な資本家と一般市民の間に格差が生まれる。化石燃料を包有する土地は、お金のある者が買い上げる。資源のある地元の人たちはそこで、できるだけ安く、さらに過酷な労働条件で働かされる。こうして、開発国と工業国の間でも大きな格差も生まれる。

 これが、資本主義の構造だ。

 この資本主義は、化石燃料という有限な資源を基盤にしていることを忘れてはならない。化石燃料がなくなると、その豊かさもなくなる。それを防ぐため、蓄積した資本を元手に資本をさらに拡大する手法が広がる。それが、金融制度だ。マネーゲームが先行している要因でもある。

 そこには、人類の財産の共有性や連帯性の考えはもうない。

(2019年1月17日、まさお)

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