地道な市民

増えるエネルギー消費

 グローバル化で人と物の行き来が、世界の至る所で活発になっている。世界貿易で輸出入される物量が増え、飛行機が輸送する乗客数も爆発的に増えている。

 地球が一つの世界になったかのように、自由に行き来できるようになってきたといってもいいくらいだ。

 これは、人類が本来もっている社会の拡大志向に基づいていると思う。世界の経済圏が広がり、生活水準が均衡化することも期待されている。それに伴い、世界が共通の価値観や意義、標準を持ち、世界が、自国が、われわれが、そして自分自身が普遍化されたいという欲求もあるのだろう。

 ここで普遍化と書いたが、その普遍化が権力欲と結びつけば、前回書いたように植民地主義となる。外に広がろうとする普遍化への欲望と、他を支配したいという権力欲は紙一重だともいえる。

 この欲望を実現するには、燃料というエネルギーが必要となる。自分の足では、物を運ぶことも、広い世界を移動することもできない。エネルギーを使って、たくさんの物と人を一度に遠い果てまで輸送する。

 グローバル化が進めば進むほど、そのために必要なエネルギーも増えているということだ。

 そればかりではない。

 燃料となるエネルギーが石油や石炭などの化石燃料なので、それを使うことによって有害ガスが排出され、世界中の環境に悪影響をもたらしている。温暖化や異常気象などは、その現れの一部にすぎない。

 生産拠点が安く生産できるところに移転されるから、世界の生産工場が工業国から発展途上国に移転される。それと同時に、生産に使うエネルギーの消費地も移転される。そして、公害も移転される。

(2019年4月25日、まさお)

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