地道な市民

デジタル化のいいところと悪いところ

 新型コロナのおかげで、今まで聞いたことのないインターネットサービスがあることを知った人も多いと思う。

 インターネット電話サービスのSkypeやLINEは、よく知られている。でも、ZoomやStarLeafなどのビデオ会議ツール、あるいはSlackというコミュニケーションツールは、知らなかったという人もいると思う。

 ぼくは、Zoomをすでに何回か使っていた。でも、Zoomに30人近くのジャーナリストが集まって記者会見したのははじめてだった。

 みんな自宅でホームオフィース(テレワーク)をしながら、パソコンの前に座って仕事ができる。その傍ら、個人的な作業(?)もできる。野菜を切ったり、掃除をしたり、子守をしたり、などなどなど。

 寝巻きのままだったり、髪の毛がボサボサでも、女性の場合化粧してなくてもいい。

 これらのデジタルツールで、アーティストがネットワーク化して、新しいプロジェクトも生まれた。たとえば、みんなが自宅で楽器を演奏したり、歌ったりして、デジタルオーケストラやデジタル合唱団ができる。

 またHackathon(ハッカソン)というソフトウエア開発の関係者の集まる場では、新型コロナで孤立する高齢者や、仕事のなくなった人や企業をサポートするアイディアやプロジェクトも生まれている。

 こうして見ると、デジタル化はGoogleやAmazon、Facebook、Twitter、Instagramなど、利益中心主義で利益を爆発的に拡大させたり、フェイクニュースやヘイトスピーチなどを拡大させるツールとは、違う面もあることがわかる。

 ただ、GoogleやAmazon、Facebook、Twitter、Instagramにしても、サービスがはじまった時期は、とても便利でいいものとして普及していったのではないか。いいところがないと、これだけ普及しない。だた普及すると、悪用するアイディアが生まれ、広がっていく。

 デジタル化が進んで、取り残される人たちがたくさんいることも忘れてはならない。パソコンやスマホを買えない人たちや、デジタルツールを使いこなせない人たちだ。

 今も、SkypeやZoomなどをまったく使えない人たちが結構いると思う。

 デジタル化が、格差を拡大させる可能性を持っていることも忘れてはならない。デジタル化が進んで、人と接触、対面しなくても、何でも済ませることができると思い込んでしまうのもこわい。

 社会は、人との接触なしには成り立たない。

 デジタル化の新しいツールを開発する時には、末端の一般市民の意見を取り入れながら、悪用の可能性を防ぐ方法、ユーザにやさしい操作、社会的な接触を維持する方法などを共同で考えてほしいと思う。

 そうしないと、格差が拡大し、社会不安が拡大する危険もある。

(2020年4月09日、まさお)

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