ネコも自己免疫疾患?

 わが家のオス猫”タロウ”は、後1カ月余りで5歳になる。ヨーロピアン・ショートヘアというネコの品種の雑種だと思う。

 ドイツでは、ごく当たり前のなんでもないネコ。普通病気もなく、手のかからないネコのはずだ。生まれて3カ月余りして友人からもらってきた。

 だがそれ以来、タロウは病気や怪我の連続。そして昨年秋、”自己免疫疾患”という難病だといわれた。あまり聞いたことのない病名に唖然としたが、ネコにもたいへん増えているという。

 自己免疫疾患にもいろいろあるらしいが、タロウの場合は、免疫系が過剰反応して腸の粘膜を攻撃し、粘膜が炎症を起こす。嘔吐や下痢、血便が絶えない。

 免疫系は本来、細菌などの異物が入ると、攻撃して排除する。だが自己免疫疾患では、自分のからだを構成する成分が抗原となって、正常な細胞や組織に対して免疫反応が起こり、害を与える。

 タロウの場合、牛肉と魚に対してアレルギー反応があるので、何らかのタンパク質が抗原になっている可能性も高い。だが何か抗原になっているのかは、まったくわからない。

 だいたい1週間に1度の割合で、嘔吐がはじまり、下痢と血便が伴う。その間、まったく食べなくなることも多い。昨秋はまったく食べない日が5日も続き、点滴に通って一命を取り留めた。

 前に飼っていた雌ネコ”エルザ”は、19歳になるまでほとんど病気をしなかった。亡くなる半年前くらいに、甲状腺亢進症だとわかったくらいだった。

 でも、その時から獣医さんに対する不信がはじまる。タロウの場合も、もらってきてからこれまで何人もの獣医さんに診てもらっているが、不信は消えない。

 これは、獣医さん個人に対する不信ではなく、獣医さんの治療の基盤となっている現代医学に対する不信だ。ネコは小さい生き物だけに、治療することで現代医学の問題がよりはっきりしてくる。

 そしてそれは、ネコという動物に対する問題だけではなく、人間に対する現代医学の問題でもある。ぼくは、これまでネコの治療を通して、自分が現代医学によって治療されることを思うと、ぞっとすることのほうが多かった。

 タロウの病気の根本には、餌の問題がある。この餌の問題は、われわれ人間の食生活に直接関わっている。またネコの病気は、人間社会を反映しているともいえる。

 その意味で、これまでタロウの病気によっていろいろ勉強させてもらうと同時に、考えさせられることのほうが多かった。

 ぼくはこれから、タロウの病気との戦いを日記風に書きながら、ぼくが勉強したこと、考えてきたことを伝えておきたいと思う。

2019年4月08日、まさお

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