わが家の新しい家族
トーマスたちのところからわが家まで、トラムと電車で1時間もかかる。心配だったのは、その間にネコたちがおしっこをしたがるのではないかということだった。
もう夜ということもあって、電車は空いていた。
ネコたちが急に、カゴの中で暴れ出す。カゴから出たそうにした時は、しまったと思った。やはり、おしっこかな。手の指をカゴに入れたりして、何とか気をそらそうとした。
それで静かになったので、ちょっとホッとした。
電車の窓から見える暗い街並を見ながら、この子たちを育てていく責任を感じていた。
わが家に着く。
ネコたちは、これからわが家の新しい家族となる。カゴを開け、ネコたちを1匹づつ取り出した。一番最初に、ネコたちにトイレの場所を教えた。トイレは、2つ用意してあった。2匹なので、3つあったほうがいい。でもまずは、2つでがまんしてもらうしかない。
タロウのほうが、すぐにおしっこをした。やはり、がまんしていたのだろう。かわいそうなことをした。
はじめての場所でも、ネコたちはそれほどビクビクしていない。ホッとした。
すぐに、餌を与えた。
餌も少しだが、用意してあった。アンネッテもネコたちをもらって出る時に、キャットミルクと餌を少し渡してくれた。キャットミルクまでは、気が回らなかった。よく気配りしてくれたと、感謝した。
ドライフードとウェットフードの両方を与えた。アンネッテから聞いていた通り、メスのハナコはドライフードしか食べない。オスのタロウはウェットフードしか食べなかった。
ガツガツと食べっぷりがいい。まずはひと安心。
ネコたちの寝床は、どこにしようか。実は、何も考えていなかった。まずはソフォの上に毛布を置いたので、2匹一緒にそこで寝てくれればいいなと思った。後は、ネコたちがそれぞれ気に入った場所を見つけるだろう。
まだ生まれて3カ月余りの子ネコたち。夜中に起きた時に、真っ暗で踏んつけてしまっても困る。そのため、三枝子の母が来た時に使った足元灯を廊下につけておいた。
夜は、寝室に入れないことにした。小さいのでどこに入ってくるかわからない。
おやすみといって、寝室のドアを閉した。すると、ネコたちが入ってこようとして何度もドアにぶつかる音が聞こえた。
入れてやりたい。でも子ネコたちの安全を考え、揺れる気持ちを抑えた。
2019年6月11日、まさお
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