抗生物質に依存
抗生物質は、3日間続けて注射された。そのために、ハナコとタロウを毎朝、獣医のところに連れていかなければならなかった。
それによって、目やには軽くなり、食べだした。もちろん、抗生物質が効いている間だけだ。これは、治ったわけではない。あくまでも、抗生物質のおかげで症状が止まっているにすぎない。そのことに注意しなければならない。
抗生物質に効果があることを確認すると、獣医はこれからは錠剤の抗生物質を飲ませるといった。まず、1週間分の抗生物質が出された。ピンク色をした錠剤だった。それを4分の1に割って、餌と一緒に食べさせる。
タロウは、ウェットフードしか食べなかったので、それほど問題はなかった。錠剤を餌の中に入れておけばよかった。
問題は、ドライフードしか食べないハナコだった。ドライフードと一緒に錠剤を入れておいても、錠剤が残るだけだった。
何とか錠剤を飲ませるため、いろいろ知恵を絞った。
ドライフード一粒を砕いて粉にして、それに少し水を差し、粉の中に抗生物質の錠剤を入れた。錠剤をドライフードの粉で包んで、抗生物質入り「おにぎり」ドライフードのようなものもつくってみたこともある。
ダメだった。抗生物質の入った「おにぎり」だけが残った。錠剤を直接口から入れようともしたが、抵抗してうまくいかない。
どうしようもなかった。最後の手段として、今度は錠剤を潰して粉々にし、それをドライフードにまぶしてみた。
するとハナコは、ドライフードをいつものように食べた。
ホッとした。
でも正直いうと、この抗生物質の錠剤がどの程度効果があったのかはわからない。ハナコとタロウが食べるようになったのが、唯一の救いだった。それだけで、かなり安心できた。
でも、目やにが完全に止まったわけではない。目やには軽くなったが、まだまだ続いた。そのため、目やにがひどくなると、カット面で目やにを拭き取ってやった。
特に、ハナコのほうがひどかった。目の周りが、茶色く輪がついたようになった。
獣医も、目やにのことを気にしていた。止まらないというと、抗生物質の錠剤を飲み続けるようにいうだけだった。
ぼくは、目やにには抗生物質が効いていないと感じていた。そのため、抗生物質を早く止めるため、獣医には意図的に目やにはもう問題ないといった。
抗生物質は、もう飲ませなくてよくなった。
今から思うと、一連の症状はアレルギー反応だったのではないかと思っている。後になってからだが、ハナコとタロウが魚と牛肉にアレルギーを起こすことがわかった。
でもそれがわからないから、当時は、魚や牛肉の入った餌を与えていた。
この問題については、また後で述べることにする。これは餌を変えることで解決したが、それがわかるまでにかなり時間がかかった。
それまで気づかなかったのは、親のぼくたちにも責任がある。ハナコとタロウには、たいへんかわいそうなことをしたと思っている。
2019年10月22日、まさお
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