タロウに寄生虫?

 タロウのハゲの原因がなかなかわからなかった。原因がわからないと、抗生物質かステロイドを続けて症状を抑えるしかない。

 それは、いやだった。

 そのうち、獣医が寄生虫ではないかといった。以前、ハゲがひどくてほぼ全身にハゲのできたネコがいたという。獣医を何回も変えて治療したけど、まったくよくならなかった。タロウのかかりつけの獣医が、寄生虫ではないかと診断。寄生虫退治の薬を使ってみたら、ハゲがきれいに消えたのだという。

 だから、タロウも寄生虫がいるのではないかといった。ぼくは、違うのではないかと思った。そんな感じがしない。便をよく見ていたが、寄生虫がいる気配もなかった。

 獣医は、まず便検査をするともいわなかった。すぐに、寄生虫退治の薬を使うといった。1カ月毎に3回、皮膚から薬を入れる。

 タロウに寄生虫がいるなら、タロウと一緒に飼っているハナコにも寄生虫がいる可能性が高い。でも獣医は、ハナコのほうは心配しなくていいといった。

 それでは、論理が合わない。ぼくは、どう考えてもおかしいと思った。

 獣医は、3カ月治療して様子をみようという。何もしないよりはと、ぼくはそれにしがたうことにした。

タロウ(左)とハナコ(右)

 タロウのハゲはこう着状態だった。あるところにハゲができはじめると、そこをなめたり、かいたりするので、ハゲが大きくなる。爪でひっかいて血が出ることもあった。ハゲの表面に体液が出て、ベトベトしてくる。

 ハゲをなめたり、かいたりしないようにいろいろ試してみた。でも無理だった。どうしても、ハゲのところに舌や脚が届いてしまう。

 そのうちに、ハゲの表面に端から新しい毛がはえてくる。それは、そのハゲが治る兆候だった。でも次に、また別のところにハゲができる。

 うまい具合にハゲのない時期もあった。でも、いつまたハゲができるのかと、ハラハラしていた。

 3回目に薬を打った後だった。急に、タロウが吐くようになる。ネコはからだをなめるので、舌に毛がくっついて毛が胃に貯まる。その毛を出すために吐くのが普通だ。でも今回は、そのためではないと思った。

 タロウは、毛が比較的長い割に、それまであまり吐かなかった。ハナコのほうは、毛が短いのでほとんど吐かなかった。

 ぼくたちは、どうしたのかとびっくりした。吐くのは、食べた餌か胃液。毛はほとんど混じっていなかった。
 
 獣医に相談しても、3回目の薬が効くまで待とうといわれるだけだった。

 飼い主としては、どうしようもなかった。様子を見るしかなかった。

2020年3月30日、まさお

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