高山線でカタンコトンとのどかに飛騨へ
富山から名古屋にいくには、富山駅から高山線に乗って高山経由で名古屋にいくか、金沢、福井、米原経由で名古屋にいくこともできる。
米原経由は、かなり遠回り。ぼくがこどもの時は、高山経由が普通だった。米原経由は、列車の高速化で可能になったといってもいい。今どちらでいっても、時間的に大きな差はない。
ぼくはこどもの時、祖父と一緒に高山経由で名古屋にいったことを覚えている。祖父が出張で名古屋の肥料工場にいく時、一緒にいこうといわれた。祖父は当時、後継を連れていくつもりでいたのだと思う。
その前に、高山や下呂温泉にいったことがあるはずだ。だがその時ぼくはまだ小さく、ほとんど覚えていない。
大人になって、高山にいってみたいなあと思っていた。でもまだ、実現できていないのではないか。あるいは、20代後半に1回いっているようにも思う。だが、はっきりした記憶がない。
高山線に乗るのは、本当に久しぶり。数十年ぶりだと思う。ぼくには、とても魅力がある。飛騨の山々を走っていくからだ。途中、ダムがいくつもある。
高山線は富山から、神通川とその上流の宮川、高山からは木曽川水系の飛騨川と、川沿いに走る景色がすばらしい。
今回ちょうど、下呂にいく用事があった。ぼくはすぐに、高山線でのんびりいこうと思った。ディーゼル車はどうかと思ったが、単線で電化されていないので仕方がない。特急は、こどもの時と同じ「ひだ号」という。なつかしい。
その上、秋の紅葉を楽しめるはずだ。もう高山線に乗るしかない。ぼくは、そう思った。
富山駅でジャパンレールパスをもらう時、一緒に指定席券ももらうことにした。その時、「パノラマ席が空いています」といわれる。「パノラマ席」とは何のことなのか。よくわからない。でもすぐに、「お願いします」といった。
ぼくは、席についてからのお楽しみと思った。
国外での生活が長いと、久しぶりにきた日本では、日本語がよくわからないことが多い。背景がぼくには、理解できないからだ。聞き返すと、『何、この日本人』という顔つきをされることも多い。
ぼくは日本人の顔つきをしていても、日本では『外国人』なのだ。それは、わかってもらえない。
大した問題ではないだろうと思われる時は、何でもいわれた通りにしておく。パノラマ席もそうだった。
当日、ひだ号のパノラマ席に座ってみた。何といことはない。先頭車両で、運転席後の一列目の席。席が進行方向右側なので、運転手が前にいなく、見通しがいい。確かに見晴らしはいい。でもこれなら、ベルリンの二階建てバスの二階一番前の席のほうが見晴らしがよく、「パノラマ席」だ。
でもベルリンのバスでは、秋の飛騨の紅葉は見れない。こちらのほうが格段にすばらしいのは、間違いない。はっはっはあ!
天気もよく、最高の紅葉狩り。ただ富山県内の神通川沿いでは、左側の方が景色がいい。空いている席に慌てて移ったが、もう遅い。それに逆光で、撮影するには適さない。
いずれ左側も川沿いになるだろうと、のんびりと構えることにした。
カタンコトン、カタンコトン。列車の走る音がなつかしい。この音はもう、新幹線では聞くことができない。それだけでも、高山線にしてよかった。のんびりと、飛騨地を満喫する。
飛騨にきたことをはっきりさせるため、高山駅に到着する映像はあったほうがいいだろう。車掌のアナウンスは、いかにも日本だ。必要ないものが多く、長い。
高山を過ぎると、列車が降っていくのがわかる。もう次は下呂だ。富山駅から約2時間半。ぼくは、下呂駅で下車した。
道中の様子は動画をみてもらうことして、以下では、下呂で撮った写真も見てもらいたい。
下呂金山町のダム湖

太陽カレンダーのある金山巨石群



2022年11月21日、まさお
動画は2022年11月18日YouTube投稿
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