りんごが木から落ちる

まさお:「りんごが木から落ちる」という文を聞いたことがあるかな。

ハナコ:ある、ある。ニュートンがいったことばでしょう。

タロウ:ニュートンは、本当にそういったのかな。

ま:それは、はっきりしてないそうだ。でも、自分で自然を観察したことから、ニュートンはあることを考えた。それは、何だったか知っているよね。

タ:りんごが落ちるとは、りんごが何かの力によって地面に引き落とされるんだよね。それが、重力だといったのじゃいのかな。そうして、ニュートンは重力を発見した。


ハ:でも、ニュートンは「万有引力の法則」という考えを発見したのじゃないの。「万有」なんだから、りんごが木から落ちることが、どこでも起こるということではないのかしら。

ま:そうだね。ニュートンは、地球でりんごに働く力が宇宙のどこでも働くということに気づいたんだ。

ハ:でもそれは、エネルギーのこととどう関係があるの。エネルギーのことについて勉強してるんでしょう。

ま:まあ、急ぐなよ。りんごを手に持ってごらん。そこでは、りんごは止まっているよね。そしてりんごから手を離すと、りんごは重力に引かれて落ちる。りんごが落ちるとは、りんごが動いていることだよね。ある物が動いているとは、。。。

タ:そうだ。りんごはその時、運動エネルギーを持っているのだ。

ま:そうだね。でもりんごを手に持っている時、そのエネルギーはどうなったのだろうか。エネルギーはいつも保存されていて、エネルギーの総量は変わらないのではなかったかな。それを「エネルギー保存の法則」といったよね。

ハ:りんごを手で持っているとは、重力に逆らってりんごを落ちないように支えているということよね。それ自体、りんごがエネルギーを持っているからではないの。違うかしら。

ま:それ、なんといった。

タ:えーと。。。

ハ:あっ、思い出した。位置エネルギーというのよ。

ま:そうだね。ここで位置とは、そこに潜んでいるという意味。「ポテンシャル」ともいうんだ。そして、りんごから手を離すと、位置エネルギーが運動エネルギーに変わっていくんだ。

タ:重力に引かれるからだね。

ま:そうだ。それでは、このりんごが落ちることと同じ論理でエネルギーを使って発電しているいないだろうか。

ハ:うーん。何かしら。

タ:わかった。水力発電だ。

ま:それは、どうしてだ。

タ:水力発電は、水を高いところから低いところに流すことで、位置エネルギーを運動エネルギーに換えているからだよ。

ま:そうだね。その運動エネルギーを使って、タービンを回し、その回転で発電機を動かす。こうして、運動エネルギーを電気エネルギーに換えるんだね。だからぼくたちは、電気を使えるようになったんだ。

2021年5月12日、まさお

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