温暖化を否定するだけでは無責任
まさお:ぼくたちが産業革命後に、石炭や石油などの化石燃料をエネルギー源に使うことによって、たくさんの二酸化炭素を排出してきたことはわかったと思う。
それは、化石燃料を使って経済活動をしているからだ。そのために必要な電気も、化石燃料である石炭を使って発電している。車の燃料であるガソリンも、石油からつくられているね。
これは、二人もわかったと思う。
二酸化炭素など温室効果ガスの排出が増えていることが、地球を温暖化させ、気候をおかしくしている原因だと見られる。
でも、そうではないといっている人たちもいるのは知っているかな。
ハナコ:聞いたことがあるわ。
タロウ:「温暖化否定論者」と、いわれているのではないかな。
ま:そうだ。
でも、きみたちはどう思う?
地球は温暖化していないのだろうか。
タ:温暖化しているよ。実際、夏は前よりも暑くなったし、ゲリラ豪雨などが起こっているでしょう。気候はすごく変わったと思う。
ハ:わたしもそう思うわ。
でもどうして、それで地球が温暖化していないとか、気候も変わっていないといえるのかしら。よくわからないわ。
ま:温暖化を否定している人たちはたとえば、産業革命のはじまる前の過去においても、大気中の二酸化炭素が増えたことがあったというのだ。二酸化炭素が増える時期がくるのは周期的なもので、いずれまた減るだろうと主張したりしているんだね。
タ:でもさあ、産業革命後に石炭や石油を燃やしているわけでしょう。すでに学んだけど、石炭や石油はさあ、産業革命よりもずーと昔に炭素が樹木や微生物にエネルギー源として蓄積され、それが化石化したものでしょう。産業革命後にそれを燃やして使うので、酸素と結合して二酸化炭素が排出されるわけだよね。
ハ:タロウのいう通り。だから二酸化炭素が増えるているのは、周期的なものだとは思えないわ。わたしたちはこれまで、過去に蓄積されていたエネルギー源を使って豊かになってきたのだから、二酸化炭素が増えて当たり前でしょう。
わたしたちはそうして、環境も破壊してきたのではないのかな。
ま:二人とも、これまで勉強してきたことがしっかりと肥やしになっているね。うれしいよ。
たとえばドイツのベルリン自由大学の研究者たちが計算したところでは、人類が戦後の1950年以降の約70年間に消費したエネルギーは、それ以前の1万1700年間に消費したエネルギーの1.5倍に相当するというんだね。
人類が1年間に排出した二酸化炭素の量をね、産業革命前の1750年頃と比較すると、2017年にはその4000倍以上になっているんだよ。
ハ:それになのに、おかしいわよね。
温暖化を否定している人たちは、何も温暖化対策をしなくていいといっているのかしら。そうしたら、無責任よね。
ま:でも、どうして無責任になるのだ。
タ:それは、無責任だよ。
温暖化を否定してもいい、と思うのだよね。それは、自由だ。
でもね、それで何もしなくていいといっていいのかな。人間の主張には誰だって、間違うことがあるでしょう。
ハ:そうよね。
彼らの主張が間違っていたら、どうするのよ。間違っていたと気づく時まで、何もしていなかったら、手遅れでしょう!
そうなったら、まったく無責任よ。そうじゃなーい!
わたし、だんだん興奮してきたわ。
ま:そうだね。二人のいっている通りだ。
ということは今、ぼくたちはどうしなければならないのかな?
タ:それはもう、はっきりしているよ。
温暖化を否定しているとしても、みんなで真剣に温暖化対策に取り組まなければならないということさ。
そうでしょう。それしかないよ。
ハ:タロウのいう通り。私もそう思うわ。否定論者は、温暖化対策を妨害して邪魔するべきではないよ。
ま:今日はもう、ぼくにはいうことはないよ。君たちに脱帽だ。
ハ:やったー!。それなら、今日はこれで終わりにしましょう。
ま:わかった。わかった。
今日は、これでおしまいだ。
ハ+タ:やったー!
2023年3月02日、まさお
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