これから何に投資するのか(2)
再エネ基盤の経済へ
前回、新型コロナの流行がぼくたちに何を教えているかについて書きました。それをここでもう一度簡単にまとめておきます。
・持続可能な社会造りを目指して、再生可能な資源を使う
・中小企業を中心として、産業を地域分配化させる
・化石燃料に依存しない
・経済活動がストップしても、市民が収入を得ることができるようにする
・日常生活にどうしても必要なものの価値を高くし、必要でないものの価値を低くする
ここに挙げた目標は、半分以上(特に上から3つ)がこれまでドイツで行われてきた政策です。ただ新型コロナによる経済活動への影響で、経済を早く復活させるため、これまでの政策が逆戻りすることが心配されます。
環境基準を緩和したほうが、コスト削減効果が早く現れると思われているからです。そのほうが、経済を立て直しやすいという見方が主流になります。
でも、一旦続けてきた環境政策を緩和させて経済を立て直し、そこからまた環境政策を強化するほうが、全体としてコスト高になります。
それなら、はじめから緩和しないで、環境政策をより強化したほうが全体としてコストが下がります。
むしろ新型コロナが、従来の産業構造を改革する絶好のチャンスだと見るべきです。
それでは、上に挙げた5つの目標を最も効果的に達成できる手段は何でしょうか。
それは、再生可能エネルギーです。
上に挙げた最初の3つの目標が、再エネによって最も効果的に達成されるのはいうまでもありません。
再エネはさらに、自宅の屋根にソーラーパネルを設置すれば、一般市民が発電の事業者になることができます。一般市民は、再エネの発電施設に共同出資することもできます。新型コロナのようにパンデミックになっても、発電は止まりません。一般市民には、発電事業によって常に副収入が入ります。
再エネは、小型施設と分散化を基盤にします。それは、産業を分散化させる効果ももたらします。同時に、産業の分散化によってパンデミックによるリスクも分散化されます。その結果、感染がクラスター化していない地域では、経済活動を早く再開させることができます。
新型コロナは、現在の社会構造と経済構造がいかにパンデミックに弱いかを露呈しました。その経験から、社会と経済をできるだけパンデミックに強い構造に改革する必要があります。
今それをせずに従来産業にばかり依存すれば、新型コロナから何も学ばず、目先の復興だけを目指すことになります。
新型コロナ後は、再エネ社会へ切り替える転機とするべきです。
2020年4月05日、まさお
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