熱供給では建物で省エネする
カーボンニュートラルを実現するにおいて、一番問題になるのが熱供給だと書きました。まず熱を供給するのは、何のためでしょうか。
暖房するためです。同じく、冷房するためにも熱が必要です。暖房には温熱が必要ですが、冷房に必要なのは冷熱といいます。いずれも熱です。さらにお風呂やシャワーする時にもお湯が必要です。食器を洗う場合にもお湯が必要です。これらは、給湯といいます。
その他産業界では、生産工程において熱が必要になる場合もあります。それをプロセス熱といいます。ただここでは、ぼくたちの生活に密着する暖房と冷房、給湯を中心にして熱供給について述べることにします。
まず熱供給で大切なのは、熱供給に必要なエネルギーをできるだけ省エネすることです。ただ自宅においても、仕事場においても、年間を通して快適に生活し、仕事をすることが大切です。
室内温度を低くすれば、暖房に必要なエネルギーを省エネできます。でもそれによって、室内温度が低くなりすぎては、快適とはいえません。それを避けるには、室内温度をある一定の温度に保ちます。となると、温度の調整によって省エネするのはそれほど期待できません。
しかし暖房に使う熱が室内から逃げないようにすれば、それほど暖房する必要がなくなり、エネルギーを省エネできます。そのため、建物の断熱効果を高めるほか、窓の気密性を高めて、室内の熱が外に逃げないようにします。
それにはまず、建物に十分な断熱材を施します。窓のガラスも二重、三重にして窓の断熱効果を高めます。地下のある建物では、地下においても建物の地下壁の外側に断熱材をはって、断熱効果を高めます。
さらに窓を閉めても隙間があっては、室内の暖かさが外に逃げてしまいます。窓を気密なものに取り替えなければなりません。
もちろんそのためには、工事費がかかります。でも一旦断熱と気密工事をすれば、建物のエネルギー消費が減ります。それが毎年積み重なれば、いずれたくさんのエネルギーを省エネしたことになり、燃費がへることで工事費が回収されます。
ドイツをはじめ欧州連合(EU)では、住宅の断熱効果を示して家の燃費を家の買主や賃貸者に知らせるため、住宅にそれを証明するエネルギーパスをつけなければなりません。それを、住宅を購入する時や、借りる時に提示することで、その建物の省エネ度から住宅を選択する可能性を設けました。
そうして省エネハウスを促進します。
ただぼくは日本の住宅では、特に既存の住宅において断熱効果を上げるのはそう簡単なことではないのではないかと心配です。ドイツの建物では、外壁の外側に発泡スチロールをはり、屋根裏に断熱材を入れたりして、簡単に断熱効果を上げます。
ただドイツでやるようなことは、日本では難しいのではないかと思います。ただそれができないと、熱供給にたくさんのエネルギーを使ってしまいます。簡単に日本の既存建物に断熱補強できる工法を開発しなければ、熱供給でカーボンニュートラルを達成するのが難しくなります。
2021年10月19日、まさお
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関連サイト:
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