デジタル化と電力消費

 ベルリン@対話工房のサイトでは、デジタル化によって電力消費が莫大に増えていることについて指摘してきた。

 これは一つに、デジタル化にとってなくてはならないサーバーのために莫大な電気が必要だからだ。サーバーは稼働中、過熱する。それは、ノートブックを使っていると過熱するのでわかると思う。サーバーが過熱しすぎると、サーバーが動かなくなる。サーバーは常に冷やさなければならない。そのためにも、莫大な電気が必要だ。

 ぼくが、記事を書いている間、内容を確認するために検索エンジンを使うことがある。それだけでも、ぼくは検索1回当り0.3Whの電気を使い、10グラム近くの二酸化炭素を排出させるはずだ。

 それは、一日のほんの一部にすぎない。丸一日で一人当たり何回検索しているだろうか。そして、世界中で何人の人が検索エンジンを利用しているだろうか。

 それを試算してみれば、検索エンジンを使うだけでも莫大な電気を使って多量の二酸化炭素を排出していることがわかる。

 スマホの電源を、使う毎に切っている人はだれもいないと思う。それでは、電話を受けることができない。スマホは待機中であっても、電気が使われていることを忘れてはならない。

 最近、クラウドサービスが普及してきた。スマホやノートブックなどの端末とインターネットがあれば、ユーザーは自分の端末にソフトウエアを持っていなくても、端末を操作できる。重い情報や画像を外部のプロバイダーのサーバー(インフラ)に安全に保存、保管することもできる。

 端末は、それによって身軽になる。便利になったように感じる。でも、端末はいつもインターネットに接続されていなければならない。クラウドサービスでは、ユーザーがオンディマンドでサービスを利用する。でもすべてのユーザーに対応するため、プロバイダー側は24時間フル稼働だ。

 デジタル化が進んで新しいサービスが登場する毎に、電気の需要は確実に増大している。さらに人工知能(AI)が加われば、電気の需要がより一層増えるのは間違いない。

 デジタル化が進めば、それに応じて便利になることも多い。でもその利便性は、デジタル化の弱さと表裏一体ではないのだろうか。電気の供給がストップすると、機能しなくなるからだ。

 デジタル化で電気の需要が増えるば増えるほど、電気に対する依存度が増大する。それだけ、デジタル化の弱点も増大する。それだけデジタル化に伴うリスク管理も必要となる。

 それは、デジタル化だけではなく、エネルギーの安定供給とエネルギー供給の構造と問題でもある。電気の供給がストップした時のリスクを小さくするには、エネルギー供給の構造を分散化することも考えなければならない。

(2020年1月23日、まさお)

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