馬肉のタンパク質は軽い

 ハナコが亡くなって2年半になる頃だった。2018年5月だった。タロウにそろそろ、ハナコの代わりになる相棒ネコを飼ってはどうかと考えた。ハナコが亡くなってすぐのほうがよかったのだが、タロウの嘔吐と下痢が続いていたので、それでは無理だと思っていた。

 嘔吐と下痢の状態は、悪くもよくもならない。むしろ、少し軽くなったという感じさえあった。それならと思った。でも心配なのは、餌の管理。タロウにはアレルギーもあるので、別のネコの餌をどうすればいいのか。タロウと同じものだけを食べさせては、かわいそうだ。別のネコになんでもあげてしまうと、タロウも一緒に食べてしまう危険がある。そうなると、タロウによくない。

 そのため、タロウの病気をできるものなら、まず完全に治したいと思った。それで前回書いたように、ベルリンで最も設備の整っている大きな動物病院の一つで、しっかり検査してもらうことにした。

2021年6月のタロウ。この日は34度と暑く、タロウもぐったり

 まず血液検査をするため、2本採血した。検査結果が出るまで、エコー(超音波)検査で胃と腸の状態を調べた。まず、タロウのお腹の毛がバリカンで剃られる。それからだ。映し出された画面で、どこに腸があり、どこが問題かが説明された。

 結論は、腸の粘膜が慢性的に炎症を起こしているというもの。まず、その炎症を治すために、抗生物質を使うといわれた。

 抗生物質はできるだけ避けたかった。でもこの時は、まずそれしかないといわれ、承諾した。もっとはっきり調べるため、後日内視鏡検査もしたほうがいいといわれた。この時獣医はすでに、自己免疫疾患なのではないかと疑っていたようだった。でも、全身麻酔になる。全身麻酔が、ネコに過酷なことは知っていた。その上、800ユーロ(約10万円)もするので、ぼくたちはそこまでしなくてもいいと思った。

 血液検査では、肝臓の値がちょっと高く、膵臓の値がちょっと低い。でもいずれも、正常値の範囲以内だといわれた。

 結局、食事療法しさないといわれた。その食事療法とは、2カ月間、シカ肉か馬肉以外食べさせてはいけないというものだった。胃腸の弱いネコ用のシカ肉か馬肉の高質ドライフードでもウェットフードでもいい。自分で調理して食べさせてもいい。その場合は、肉とジャガイモにビタミンの混合サプリメントを混ぜて食べさせるのだという。

 シカ肉と馬肉では、タンパク質が軽いからだという。胃腸の弱いネコには、牛肉や鶏肉など一般に市販されているキャットフードに含まれている家畜の肉では、タンパク質が重すぎるのだという。

 ぼくたちには、タロウがそれを食べるかどうか心配だった。ほとんど無理だと思っていた。というのは、以前別の獣医に勧められ、VET-CONCEPTの高質ウェットフードを食べさせようとしたことがあった。でもタロウは、ほとんど食べようとしなかった。胃腸の弱いネコ専用の馬肉高質ドライフードもすでに試していた。タロウはそれも、食べようとはしなかった。

 でも獣医は、タロウのためと思って、鬼になって何とか食べさせるようにいった。ぼくたちはどうすればいいかと、途方にくれながら自宅に戻った。

 まず、自宅に残っていたVET-CONCEPTの馬肉のドライフードで試してみようと思った。VET-CONCEPTでは、胃腸の弱いネコの特殊な餌は、獣医の処方箋がないと買えない。それで、処方箋をもらって買っておいたのだった。タロウが食べないので、ほとんど残っていた。

 ところがた。今回タロウは、すぐに馬肉のドライフードを食べはじめた。いやそうなそぶりも見せない。美味しそうに食べた。ぼくたちはホッとした。それなら、馬肉のウェットフードを試してみよう。早速、前もらった獣医の処方箋を使ってVET-CONCEPTの馬肉ウェットフードを注文。数日後に届いた。タロウはそれも、美味しそうに食べた。

 ぼくたちはホッとした。このまま、VET-CONCEPTの馬肉ウェットフードを食べさせることにした。

2021年7月20日、まさお

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VET-CONCEPT(ドイツ語)

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