ハチに刺されちゃった

 先日、ハチに刺されてしまった。暗くなって帰宅して、暗いを廊下を歩いていると、足の裏に急に激痛が走った。「痛い!!!」ズキーン、ズキーンと何回もすごい痛さが襲ってきた。慌てて足の裏を見ると、何か黒いものがくっついている。黒い物体は、刺したものは絶対に離さないぞといわんばかりに、しがみついているように見えた。こりゃいかん。すぐに黒い物体を引き抜いて、廊下に投げ捨てた。

 何かに刺されたことだけはわかった。すぐに厨房の椅子に座って、毒が広がらないように刺された所を指で抑える。両側から刺された所を指で押して、毒を外に押し出そうとした。

 ハチではないか。ハチなら、玉ねぎがいい。でも、針が刺さったままだと怖い。針がからだの中に入ってしまうと一大事。刺された所が左足の親指の裏なので、自分ではよく見えない。針がまだ刺さっているかどうかわかるまで、動けない。

 10分くらい、刺された周りを押さえていただろうか。毒がすでに回ってしまっていたら、これ以上押さえていても意味がない。玉ねぎも手遅れだと思った。連れ合いがそれなら、馬油がいいかもという。ぼくの座っている近くに、馬油のチューブがあった。それを刺された所の周りに幅広に塗った。それで、少し楽になったような気がする。

 暗くなってから、それも廊下の上にハチがいたとは信じられなかった。そのうちに、ネコのタロウが廊下にいるハチを見つけてくれる。それで、ハチだとわかった。それまでに、30分くらいかかっただろうか。ハチだと確認できたのはよかった。ミツバチだったら、針が刺さったままになっている可能性が高い。その場合、針が体内に入らないうちに慎重に抜かないといけない。ハチなら、針が刺さったままになっている可能性は低い。ラッキーだった。タロウが見つけてくれてよかった。

 ハチはまだ生きていた。タロウが戯れて遊ぼうとする。タロウもハチに刺されないように、ハチをちり取りの上に載せて、バルコニーで離してやった。ハチは弱っているような感じがした。ぼくを刺す前に廊下の上にいたことも、ハチがすでに弱っていた証拠ではないか。ぼくの足に踏まれそうになって、最後の力を振り絞ってぼくを刺したのかもしれない。健気な奴。翌朝連れ合いが、バルコニーにハチが死んでいるのを見つけた。ぼくを刺したハチだと思う。風に吹き飛ばされてわからなくなる前に、近くにある鉢の土の中に埋めてやった。土に帰ればいい。

 だいたいのことは知ってはいたものの、一応ネットでハチに刺された時の処置方法を調べた。ドイツでは、やはり玉ねぎがいいとある。日本では、水で洗って毒を薄めるとある。いずれも冷やすのがいいとしていた。

 ぼくは一年ほど前、ジョギングをしている時に、手の指をハチに刺されたことがある。その時は、一瞬刺された感じだった。それほど大したことはなかった。その時調べたら、ハチに刺されるとハチ毒に対する抗体ができる。1回刺された後に刺されると、抗体が過剰に反応することがあるので、注意が必要だとあったのを覚えていた。命に関わることもあるという。

 ただぼくの場合、抗体が過剰反応している感じはない。ただ、活発に反応しているのは間違いないと思った。今度は、離さないぞという感じでしっかりハチに刺されてしまった。その分、ひどくなるのは覚悟した。やはり、翌日からひどくなった。刺された左足の前部が親指を中心に赤くなり、パンパンに腫れてきた。うわー、これでは皮膚が破れてしまうのではないかというくらいパンパンだった。腫れた所に馬油をたっぷり塗っておく。

 痛みは最初だけだ。少し経つと、次第に痒くなる。それがまた困る。翌日の夜くらいから、かなり痒くなった。痒いところをかきたくなるが、ジーと堪えて我慢した。冷凍庫に入れてある小さなアイスノンを2、3個タオルで巻いて、アイスノンが足の裏と上にくるようにしてタオルを縛りつけた。それで、結構楽になった。

 湿疹や蚊に刺されて痒い時、アロエの葉を切って葉肉の汁を塗ると、すぐに痒さが吹っ飛ぶ。今回も、アロエがいいかと思って試した。ところがアロエの汁が痒さを刺激して、逆効果だった。また馬油を塗ってから、足の上と裏をアイスノンで冷やした。冷やすと、痒さも和らぐ。

腫れが一旦引いて、2回目に腫れた時の足の写真。刺された後は、もっと腫れていた

 ハチ刺されは、1週間ほどすればほとんど治るという。確かに1週間ほどで腫れも痒さも治まってきた。それで安心したのがよくなかった。暑い日にジョギングをして、さらに用事があってたくさん歩いたのがよくなかったのかもしれない。再び足がパンパンに赤く腫れだし、痒さも復活する。

 でも今度は焦らずに、馬油とアイスノンで腫れと痒さに対処した。今度は、3、4日で腫れと痒さが引きはじめる。まもなく、ハチに刺されて3週間になる。腫れはかなり引いたが、親指がまだ少し腫れている。刺された所は、血豆ができたように黒い点になり、硬くなっている。歩く時に、その部分が地面に触ると、今も痛痒く感じる。

 ハチは小さいのに、刺すだけでこんなにたいへんな思いさせるとは。今更ながら、ハチ毒のすごさに感心している。刺されないように気をつけたい。

(2021年8月22日、まさお)

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