ゴーヤはダメだったが

 わが家のバルコニーで、ゴーヤを栽培しているのを書いたことがある。西日の強いベランダの窓際に、緑のカーテンとするためだ(「ミニ大根の影にゴーヤあり」)。収穫したゴーヤを、ゴーヤチャンプルにして食べるのも楽しみ。

 今年の春には、昨年収穫したゴーヤからとっておいた種と日本からもらった種があった。例年になく種の数が多い。それをいきなり土に入れても、芽は出てこない。これまでの経験からすると、種を水につけて、芽が出てくるのをじっくり待ってから土に入れたほうが確実。

 今年の春もそうした。ただ今年の春は、天気の悪い日が多く、寒かった。温度が低すぎるかなと心配だった。種は、室内で『水栽培』する。暖房器の上に置いたりして、寒さを『しのぐ』。室内といっても、西日の当たる暖かいところに置いておく。

 今年はゴーヤには、涼しすぎるかなと思いながらも、毎日芽が出てこいと祈っていた。しかしいくら待っても、発芽しなかった。仕方ないと思いつつ、ゴーヤがないのは寂しい。ゴーヤチャンプルも食べられない。

 今年は、緑のカーテンを諦めていた。ただふと、ゴーヤの種と一緒に、まったく何か知らない種が日本からもらってあったのを思い出す。黒の丸い種で、ちょっと白い斑点のようなものが入っている。何の種かわからない。でももう夏も間近。何でもいいからと、種を植えることにした。

 その時はもう、6月になっていた。遅いかとも思ったが、早速はじめる。種を一晩水に浸し、小分けして土に入れた。すると、すべての種から苗が出てきた。

 それでようやく、種をもらった義理の兄に聞いた。「フウセンカズラ」だという。まったく知らない。ネットで調べると、これも緑のカーテンになるという。やったね。

 フウセンカズラは熱帯地域で育つ。それではゴーヤと同じように、ベルリンでは寒すぎるのではないか。それでも、思ったほど『すくすく』とはいかなかったが、次第に大きくなる。何とか、窓の3分の1を覆うくらいまでにはなった。緑のカーテンという感じではないが、緑があるだけでもいい。

 ありがたいことに、今年の夏はそれほど暑くならずに済んだ。30度を超えた日は、数えるほどしかなかった。緑のカーテンがなくても大丈夫。助かった。

 遅くはじめたので心配だったが、そのうちにたくさんの小さな白い花が咲き出す。おお、いずれ『フウセン』ができるなと思ったが、なかなかできない。やはり寒いからダメかと思った。少し経って、小さなフウセンを1つ見つけた。こんなに小さいのと思って、がっくり。ところが、フウセンは次第に大きくなる。そのうちにあっという間に、窓際にたくさんのフウセンができた。

フウセンカズラの白い花とフウセン。わが家のベランダで撮影

 かわいい。かわいい。ゴーヤとはまた、まったく違った味わいがある。これもいいね。

 フウセンが茶色くなると、中に種ができているという。わが家のフウセンはまだ、それほど茶色くなっていない。種はまだ収穫していないが、たくさんの種ができるのが楽しみだ。来年のためにとっておこう。

 ベルリンは今、もう秋の感じ。20度を少し超えるくらいにしか暑くならない。それでも熱帯植物がこうして、フウセンをつけていてくれるとはありがたい。

 フウセンカズラの後には、チューリップの球根を植える予定だ。

2021年9月13日、まさお

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関連サイト:
フウセンカズラの基本情報

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