スペシャルオリンピックスって知ってた?
ベルリンでは6月17日から25日まで、スペシャルオリンピックス夏季世界大会・ベルリン2023が開催されていた。
「スペシャルオリンピックス」といわれて、「何のこと?」、「オリンピックの一種?」と、思う人も多いと思う。ぼくも知らなかった。
知らなくても仕方がない。ドイツでも、たくさんの人がはじめて聞いたことばだった。これを機会に、たくさんの人に知ってもらういいチャンスだ。
「スペシャルオリンピックス」とは、知的障害のある人たちにスポーツを楽しむ機会とその成果を発表する機会を提供する国際組織のこと。世界大会はオリンピックと同じように、4年毎に開催されている。
今回は16回目。そのうち米国以外で開催されたのは今回で5回目なので、米国以外で知名度が低いのは仕方のない面もある。ベルリンでは26種目の競技が行われ、6000人以上の選手が参加した。


何といっても、選手たちがみんな明るい。スポーツを楽しんでいるのがひしひしと伝わってくる。みんな、これはすごいといいたくなるくらい、とてもいい顔をしている。選手たちの姿を見ていると、ぼくの心が洗われるような気分になる。
大会はオリンピック大会と異なり、コマーシャル化されていない。競技には金銀銅のメダルはあるが、競技に参加する選手すべてが表彰される。スター選手はいない。みんながスターなのだ。
開会式でも、知的障害のない人たちによる大会では考えられないことが次々に起こった。
スペシャルオリンピックスの国際組織の会長がスピーチしている時、シリアの選手が壇上に上がってきて、会長に抱きつくのだ。会長もあたたかく選手を抱擁し、そのうちに選手は壇上から去っていった。
それを誰も止めようとしない。咎めもしない。選手の自由にされているのがすばらしい。
開会式の最後にスタジアムにおいて、聖火リレーがあった。選手たちが聖火をリレーしていくのだが、何人もが行き先を間違えて走ってしまうのだった。係員がおっかけて方向転換させるのだが、すべてがすべてご愛嬌で済む。失敗でも何でもないのがいい。
いいよね。この規律のなさと自由。日常の生活では、知的障害のないぼくたちにはまったく体験できないことばかりだと思う。
ぼくは、知的障害と身体障害のある女性を子どもの時からサポートしてきた。それによってぼくは、サポートした以上にたくさんのことを学ばせてもらった。今回も、知的障害のある選手たちの姿から、いろいろなことを学ばせてもらった。
感謝だ。
2023年6月26日、まさお
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成人するということ
関連サイト:
スペシャルオリンピックス夏季世界大会・ベルリン2023
大会公式サイト(ドイツ語)
日本選手団公式サイト|公益財団法人スペシャルオリンピックス日本