現在社会は産業革命のおかげ
前回、人類がエネルギーとともに進歩してきたことについて書いた。人類が火を使うことを学び、農業をはじめたことが、人類の進歩にとってとても大きなことだった。
この2つのプロセスは、エネルギーととても深く関わっている。
その後、エネルギーが人類に大きな変化をもたらしたのは、18世紀後半にはじまる産業革命だ。
ここで人類は、電気を実用化し、蒸気機関、内燃機関を発明した。
それによって工業化がはじまる。産業革命なくして現在の技術とその技術を基盤とする社会はない。
産業革命による工業化を支えているのが、石炭、石油、天然ガスの化石燃料だ。化石燃料は、地質時代に堆積した動植物の死骸が地中で化石化したものだ。
地球の誕生する40数億年前には、まだ動物などは存在しなかった。まず植物性プランクトンが誕生し、次に動物性プランクトンが誕生する。動植物性プランクトンは、光合成によって二酸化炭素を吸収し、化学エネルギーを体内に蓄積した。光合成で使われたのは、太陽エネルギーだ。
その動植物性プランクトンの死骸が長い間に化石化したのが、石油だ。
その後、陸上に樹木が生息し、光合成によって成長する。これら樹木の死骸が長い間に渡って化石化したのが、石炭だ。
木も光合成によって、化学エネルギーを蓄積する。
天然ガスは、石油や石炭などの堆積物に含まれる有機物が分解して生成された。
化石燃料とは、光合成によって太陽エネルギーが化学エネルギーに転換され、蓄積されたものだといえる。
それを掘り起こして燃料として使うことをはじめたのが産業革命だ。エネルギーの視点からいえば、たいへん大きなエネルギー革命だったといっていい。
現在の社会とその豊かさは、産業革命なくしては考えられない。産業革命では、化石燃料に蓄積された化学エネルギーを利用することが基盤になっている。
経済的に見ると、産業革命の基盤となる化石燃料こそが資本をもたらしてきた。ぼくは、化石燃料なくして資本主義は成り立たなかったと思っている。
産業革命以前、人類は木を、あるいは木から炭をつくって燃料にしていた。ただ木には、エネルギー源として人類の社会を大幅に変えるだけのインパクトがなかった。しかし、人類は産業革命とともに化石燃料を使うことを覚え、社会を革命的に変えていたった。
産業革命をエネルギーの視点から見ると、エネルギーが人類にとってとても大きな役割を果たしてきたことがわかると思う。
2020年1月15日、まさお
関連サイト:
人類はエネルギーとともに進歩してきた
脱蒸気機関、脱内燃機関、脱産業革命
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