木に吸収されない二酸化炭素はどこにいくのか

まさお:これで、石炭を燃やすと二酸化炭素が排出されること、太陽エネルギーによって地球に熱がもらたされていることがわかった。
 さて問題は、ここからだ。
 まず、燃料を燃やして排出される二酸化炭素は、どうなるのだった。

ハナコ:光合成で植物に吸収されます。

タロウ:でもハナコ、今ある植物だけでは、排出されたすべての二酸化炭素は吸収できないよ。

ま:そうだ。それでは、すべての二酸化炭素を吸収できるだけの木など、植物を植えればいいのかな。

ハ:そんなことは、無理でしょう。できないよ。植物を育成できる面積には、限界があるもの。

ま:それでは、どうすればいいのだろう?

タ:二酸化炭素を排出するなということ。

ハ:タロウ、そんなことはわかってるの。だから、石炭や石油をやめて、再生可能エネルギーに切り替えようとしているのでしょう。

タ:ぼくだって、そんなこと、わかってるよーだ。

ま:ほらほら、二人でけんかしないの! でも、一度に石炭や石油を再エネに切り替えることはできるかな。

タ:それが、問題なんだ。そんなの無理に決まってる。

ま:ということは?

ハ:まだまだ、二酸化炭素が排出され続けるのよ。でもそれを、できるだけ少なくしようとしているのでしょう。

ま:その最終目標が、二酸化炭素の排出を実質ゼロにするカーボンニュートラルだったね。それ、覚えているよね。

ドイツ西部にある石炭型火力発電所。1基(左)は脱石炭の枠内で、すでに停止されている

タ:覚えているよ。もちろん。

ま:それでは、植物に吸収されない二酸化炭素はどこにいくのだろうか。

タ:空気に排出されるから、空気の中にあるってことよね。

ま:そうか。二酸化炭素は、何というガスに属すのか、知っているかな。

ハ:はいはい。ハナコ、知ってます。「温室効果ガス」でーす。

ま:その通り。温室効果ガスだ。温室のような効果をもたらすガスということだ。ということは、二酸化炭素が空気中にあるだけではおかしくないかな。それで、温室になるかな?

タ:ああ、そうか。地球の周りに冠型の白い雲のようなものが覆われているイラストを見たことがあるよ。温室のように、地球の外側が二酸化炭素に覆われるということなんだね。

ハ:まさお、本当にそれでいいの? ハナコは学校の教科書に、二酸化炭素は空気より重い、と書かれていたような気がするのだけど。。。

タ:そんなことはないよ。気がするだけでしょう。実際、二酸化炭素に覆われている地球のイラストがあるのだから。そうに決まってるよ。
 まさお、どっちなんだよ。

ま:みんな、サイロやタンクなど閉ざれたところの底で、酸欠で人が死亡したという事故のニュースを聞いたことはないかな。それは、二酸化炭素が重いからでもあるのだ。重いから、底に溜まるということだね。
 ハナコのいうように、二酸化炭素は空気より重いのだ。でもそれではなぜ、ぼくたちは地上という一番低いところで生きておれるのだろうか。

タ:それは、空気が動いているから?

ハ:ああ、そうか。風が吹けば、空気中の二酸化炭素も動くわよね。

ま:みんな、よくわかったね。そういうことだ。
 ということは、タロウがいったように、二酸化炭素は風に運ばれて上に上がり、地球の周りを覆っているのかな。

タ:重いものは、重いのじゃないの。地球の外側を覆う冠のようになっているのではなくて、単に空気中にあるということだけなんでしょう、多分。

ま:その通りだ。空気中の二酸化炭素の濃度は、高度が高くなれば高くなるほど、低くなる。それが、温室のような効果をもたらすんだね。だから、温室効果ガスという名前にしたのだろうね。

ハ:まさお、今日はここまでにしようよ。

タ:賛成!

ま:わかった。今日はここまでだ。

2022年8月24日、まさお

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カーボンニュートラルってなーに?

関連サイト:
温室効果ガスとは? 種類や原因、環境への影響、減らす方法を解説(朝日新聞、SDGs ACTION)

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