太陽熱を利用する

 再エネによって熱供給する方法として、いくつも方法を挙げました。その時、熱供給に水素を使うのは適切ではないと書きました。それは、水素が産業のグリーン化になくてはならないものだからです。産業界での水素の需要は莫大なものです。その他の目的に水素を利用するのは、できるだけ避けねばなりません。さらに水素を製造するのに、たくさんの電気を使います。

 電気は、交通の電気自動車化にはなくてはならないものです。電気自動車と水素の製造に必要な電気の需要を考えると、電気もその他の目的にはできるだけ使いたくありません。熱供給においても、できるだけ電気を使わないで熱を供給する方法を優先すべきです。

 水素や電気は、熱を発生させるために使います。それは、エネルギーを使うことです。熱供給に水素と電気を使いわないとは、エネルギーを使わないで熱を得る方法を考えるということです。エネルギーを使わないで熱を得る方法はありませんか。身の周りに熱はないでしょうか。

 そうです。太陽熱を吸収する方法を考えればいいのです。そのために、建物の屋根にソーラーコレクター(太陽熱温水器)を設置します。ソーラーコレクターは基本的に、太陽熱(エネルギー)を吸収して、そのエネルギーで温水をつくります。

民家の屋根に設置されたソーラーコレクター

 ソーラーコネクターで温まった温水は貯蔵タンクに保管して、温水が必要な時に給湯します。しかし、温水が必ずしも十分に熱いとは限りません。温水の温度が低い場合は、電気で温水器を使って加熱します。

 現在は、お湯を使う時間を設定しておけば、使いたい時に自動で十分に熱いお湯が供給されるようになっています。

 温水を加熱する電気もできるだけ節約したい場合は、お湯を使う時間帯を温水の熱い時間帯、つまりできるだけ夕方に集中させるように生活スタイルを変えることが求められます。ぼくの友人は屋根に、ソーラーパネルだけではなく、ソーラーコネクターも設置していますが、シャワーは夕方にしているといっていました。

 貯蔵タンクも、熱が逃げないように十分に断熱する必要があります。貯蔵タンクに断熱材をまくだけではなく、貯蔵タンクを地下に埋めて使えば、断熱効果がより高まります。

 ドイツの冬は寒い。そのため、ソーラーコネクターで加熱したお湯を地下のタンクに貯蔵するばかりではなく、地下に貯水タンクを埋めておき、その水をソーラーコネクターで加熱したほうが、太陽熱をより効率的に利用し、より熱いお湯ができます。貯水タンクの水が、大気温ほどは冷たくないからです。

 この場合、そこでも再生可能エネルギーを利用していることになります。

 ソーラーコレクターを利用する場合も、単にソーラーコレクターを設置するのではなく、どうすればより効率よく熱を供給することができるかを考えます。ただ効率性を高めれば高めるほど、予算が膨らみます。それだけ投資して、投資しただけの効果があるのかどうかも考えなければなりません。

2021年11月14日、まさお

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関連サイト:
太陽熱を学ぶ(ソーラーシステム振興協会)

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