空気中の熱を利用する
ぼくたちは、どうして地球で暮らしていけるのでしょうか。それは、ぼくたち人類を含め、生物が生きていくのに適切な温度があるからです。暑すぎることはない、寒すぎることもありません。
それは、空気中に熱があるからです。それでも、暑い日もあれば、寒い日もあります。
夏の暑い日には、温かい熱。冬の寒い日には、冷たい熱があります。前者を温熱、後者を冷熱といいます。温かろうが、冷たかろうが、いずれも熱なのです。
この熱を利用して、暖房と冷房をできるのがヒートポンプです。ヒートポンプが空気中の熱を回収して利用するので、ヒートポンプは、再生可能エネルギーを利用する技術と見なされます。
ヒートポンプは、新しい技術ではありません。ぼくたちはすでに、生活において使っています。冷蔵庫とエアコンは、このヒートポンプの一種で、空気中の熱を使って冷やします。
そういうと、エアコンの使いすぎでヒートアイランド現象が起こっているではないかと批判されると思います。
ただそれは、エアコンだけに原因があるわけではありません。たとえば人口の集中や、都市構造にも深く関係しています。日本の都市は、風通しを考えた都市造りがされていません。日本の道路は照り返しもすごい。さらに、建物と部屋の密閉性と断熱性が十分でないことも、エアコンをガンガン使わなくてはならない要因になっています。
ヒートポンプは基本的に、熱が多いところから、少ないところに移動するという原則を利用しています。たとえばお風呂に入って、熱いお湯に水をさすと、全体が緩くなります。
熱が多いところでは熱くなり、熱が少ないところでは冷たくなります。
ヒートポンプはだから、暖房にも冷房にも使えます。たとえばドイツでは冬が寒いので、ヒートポンプは主に暖房に使われます。
ドイツでは、石油や石炭を燃料として使うボイラーがまだたくさん使われています。それをどうグリーン化すればいいのか。それが、熱供給においてとても重大な課題になっています。ヒートポンプはボイラーの代替機として、その最も適した機器として期待されています。すでにヒートポンプに切り替えるための助成金制度も用意されています。
ただ、ヒートポンプをより効率よく使うための工夫も必要です。これについては後日別の記事で詳しく述べますが、たとえば部屋の排熱や排湯から熱を回収して、その熱をヒートポンプでさらに加熱して使います。
そうすれば、かなり省エネも期待できます。
2021年11月21日、まさお
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