ぼくのオリンピック改革案

 2021年に東京オリンピックが開催された時、ぼくは「国際運動会がはじまった」という記事を書きました。

 そこでは、東京オリンピック開催に関連して見えてきた日本の問題について書き、オリンピックを通して日本が変わるきっかけにならないかと淡い期待をかけていました。

 その期待は裏切れたと、いわなければなりません。しかし今の日本では、仕方ないのでしょうね。

 今年2024年の夏は、パリでオリンピックがあったばかり。まもなくパラリンピックもはじまります。

 オリンピックが『国際運動会』であることは、変わりません。今回もオリンピックはもういいやと思っていました。しかしパリ・オリンピックでは、街そのものをオリンピック会場にするという大胆な企画を立てました。ぼくにはそこに、関心がありました。どういうオリンピックになるのかと。

 開会式の一連の動きを見て、ぼくは目を疑いました。歴史と文化の深さを基盤にした企画能力とアイディアに、脱帽という感じがしました。こういうオリンピックはもう、過去も、将来もこれ限りだろうなと思わざるを得ませんでした。

 組織委員会会長のスピーチもIOC会長のスピーチも、東京の時とは内容が違いすぎます。

 オリンピックがこういう形で世界中の人たちを感動させるものであるなら、続ける価値があるのではないか。しかしオリンピックが現在のままでは、オリンピックの根本的な問題は変わりません。それでは、ぼくには納得できません。

 そこで今回、ぼくなりのオリンピック改革案を提示してみたいと思います。実現可能かどうかについては深く考えず、ぼくだったらこういうオリンピックであれば楽しめそうだなあという願望でもあります。

1936年に開催されたベルリン・オリンピックでは、この会場でフェンシング競技が行われた。ドイツはパリ・オリンピック開催時に、2040年にオリンピックをドイツに誘致することを決定した。今のところ、ベルリン、ハンブルク、ミュンヒェン、ライプツィヒ、ルール地方が誘致に関心を示している

+現在パラインピックが個別に開催されていますが、開催期間が全体で長くなってもいいので、並行開催します。競技はそれぞれ、交互にやりたいですね。知的障害者や高齢者もオリンピックに一緒に参加できるように、競技を導入します。高齢者だったら、たとえばゲートボールとか。
 さらに障害や年齢に関係なく一緒に競技できる種目を導入します。たとえば目隠しサッカーなら、目の見えない人、高齢者も一緒に競技できます。今回の2024年のパリオリンピックは過去にはない、さらに将来も真似できない街と街の歴史、文化を舞台にしたオリンピックだった。ただオリンピックの根本的な問題は変わっていない。そこで実現可能かどうかはあまり深く考えず、これだったら楽しめそうかなというぼくなりのオリンピック改革案を提案したい。

+競技において男女差別がないように、団体競技はできだけ混合チームだけとします。新体操など女子用しかない競技にも、男性が参加できるようにします。その逆もしかり。体操や新体操だったら、男女一緒に競技できるのではないでしょうか。どちらかにハンディーキャップがなければ、男女一緒に競技できるものは男女別々ではなく、トランスジェンダーも含め男女一緒に競技します。
 どちらかにハンディーキャップがある競技は、ハンディーキャップポイントを導入して一緒に競技できるようにする種目も考えます。

+馬術など動物を使った競技は、動物なしできるように競技内容を改革します。

+競技をもっと日常生活に密着したものにします。後ろ向き走行や高層ビルやテレビ塔での階段登り、腕相撲、こども用三輪車走行、カーゴバイク走行、お盆にグラスを乗せて走る走行、にらめっこ、数独など、いろいろと新しい日常競技を導入します。

+新しい競技が増えるすぎる場合、世界大会などがあり、プロ選手の活躍するメジャーな競技を削減し、マイナーな競技を残して優先させます。

+ドーピングの問題に関しては、もっと厳重に、中立に検査する世界機関を設けます。ドーピング歴のある選手の出場を認めません。

+戦争状態にある国は単独では、選手団を派遣できません。当事国から選出された選手は団体チームも含め、IOC中立選手団に所属できるようにします。そうして、どの国の選手も排除しません。当事国が単独で選手団を派遣するには、当事国がすべて国連の下で停戦協定を締結し、国連平和軍が駐屯していることを条件とします。

+競技会場は既設の会場だけを使い、足りない分は仮設とします。開催地には一定の最低緑化率を規定し、開催4年前までにそれを遵守することを義務付けます。

+出場選手にはオリンピック公式のSNSに随時投稿できるようにし、選手の種目別にSNS人気投票も行います。

+オリンピック開催期間中、スポンサーのロゴの使用を禁止します。さらにスポンサーには、入場チケットを無償配布しません。

+入場チケットが闇市場で売買された場合、そのチケットを無効にするシステムを導入します。さらにチケット価格の上限を厳格に規定します。

+オリンピック開催に必要なボランティアを世界中で募集し、途上国のボランティアには交通費を負担します。

+オリンピック開催時には、プラスチックの食器類、プラスチックのボトルの使用を禁止します。

+オリンピックの開催地はIOC理事会ではなく、抽選で選出された世界の市民によるオンライン投票によって最終決定します。

 ぼくの独断と偏見の改革案ですが、これだったらオリンピック嫌いのぼくでも見られそうかな。。。
 
(2024年8月18日、まさお)

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関連サイト:
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