第6章冒頭文
前章では、これまで社会を変えてきたポイントが、エネルギーにあることを見てきた。そこからわかるのは、ぼくたちに今求められるのは、将来に向け、産業革命から脱皮することだ。
それが、前章のキーワードだった。
産業革命から脱皮するとは何を意味するのか。それは、石油や石炭などの化石燃料を使わない産業造り、社会造りをすることだと思う。それは現在、脱炭素やカーボンニュートラルということばで表現されている。
でもぼくは、それだけでは不十分だと思う。産業革命によってはじまった蒸気機関と内燃機関からも脱皮しなければならない。
それはなぜか。
そこで思い出してもらいたいのは、アインシュタインのことばだ。アインシュタインは、
問題を引き起こしたのと同じ方法で問題を解決するのは、不可能である
といった。
このアインシュタインのことばは、こう解釈できると思う。
産業革命ではじまった蒸気機関と内燃機関に依存していては、産業革命に起因する気候変動の問題は解決できない。
その思想的な基盤になるのは、「持続可能な開発」という考えだと思う。これはすでに述べたが、1992年にブラジルのリオ・デ・ジャネイロで開催されたいわゆる「環境サミット」において、「環境と開発に関するリオ宣言」として採択された。
産業革命からの蒸気機関と内燃機関に頼っていては、気候危機が起こり、ぼくたちは持続可能な社会を造ることはできない。
さらにリオ宣言の第1原則には、こう書かれている。
持続可能な開発では、人間が中心となる。人間には、自然と調和して健康で生産的な生活を送る権利がある(筆者訳)。
持続可能な社会造りに向け、ぼくたち人間が中心となる。それは、ぼくたちがどう変わっていけるかということでもある。
社会は、そしてぼくたちは、これからどう変わっていくのか、変わっていくべきなのか。この章では、それがテーマとなる。
(2021年3月18日、まさお)
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関連サイト:
環境と開発に関するリオ宣言
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